持ち家でも安心できない?老後にかかるリフォーム費用と注意点

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2025年10月08日 19:30  All About

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老後の住まいは「持ち家なら家賃がかからないから安心」と思うかもしれませんが、「リフォーム費用」を考えると頭が痛いと感じる方もいるでしょう。今回は、老後に必要になる主なリフォーム工事と、その注意点をまとめました。※サムネイル画像:amanaimages
老後の住まいといえば「持ち家なら家賃がかからないから安心」と思う方も多いでしょう。しかし実際には、持ち家だからこそかかる費用があります。その代表が「リフォーム費用」。築年数がたてば家は老朽化し、また高齢になると安全面を強化する必要も出てきます。今回は、老後に必要になる主なリフォーム工事と、その注意点を分かりやすくまとめました。

老後に必要なリフォーム工事にはどんなものがある?

高齢者向けのリフォームの主なものは次のものがあります。

段差の解消・床材の変更

高齢になると、ちょっとした段差でもつまずきやすくなります。

廊下や部屋の境目にある段差をなくしたり、床を滑りにくい素材に張り替えたりすることで転倒事故を防げます。工事の規模にもよりますが、費用は数十万円〜100万円程度が目安です。

手すりの設置

浴室やトイレ、階段、玄関などに手すりを設置することで、立ち座りや移動が安全になります。費用は1本当たり数千円〜数万円と比較的安価で、効果が大きいリフォームの1つです。

浴室のリフォーム

浴室は特に転倒事故が多い場所。浴槽の高さを低くして入りやすくする、シャワー専用に変更するなどがあります。浴室全体の改修では数十万〜100万円ほどかかりますが、床の滑り止め加工や手すりの設置など部分的な工事であれば数万円から対応可能です。

トイレのリフォーム

和式トイレは膝や腰への負担が大きく、高齢期には不便です。洋式トイレへの変更や温水洗浄便座の導入で大幅に快適性が向上します。費用は10万〜50万円程度と幅広く、状況に応じて検討しましょう。

高齢になってからリフォームをする場合の注意点

高齢になってからリフォームする場合の注意点は以下のとおりです。

注意点1:費用は幅が大きい

例えば同じ「浴室リフォーム」でも、浴槽の取り替えなど部分的な工事と、浴室全体を改修する工事では数十万〜100万円以上の差が出ます。

見積もりは必ず複数の業者から取り、比較検討することが大切です。思わぬ追加費用が発生することもあるため、余裕を持った予算計画を立てておきましょう。

注意点2:優先順位をつける

高齢期のリフォームは「ここも直したい、あそこも改善したい」と希望が膨らみがちです。しかし一度に全てを行う必要はありません。

まずは安全性に直結する部分(浴室・トイレ・段差など)を優先し、その後で快適性や利便性を高める工事に取り組むのがおすすめです。

注意点3:将来の暮らし方を見据える

子どもが独立して夫婦2人だけの生活になる、階段の上り下りがつらくなるなど、将来の生活スタイルを考えて計画することも大切です。

広い家を無理に維持するより、必要な部分だけをリフォームする、あるいはバリアフリー仕様の住まいに住み替えるなど、ライフスタイルに合わせた柔軟な選択肢を持つとよいでしょう。

注意点4:補助金や助成制度を活用することを忘れない

バリアフリー改修や耐震補強は、国や自治体の補助制度の対象になることがあります。例えば介護保険では、要支援・要介護認定を受けた人が行う手すり設置や段差解消などの工事費用に対し、最大20万円までが支給されます。自己負担は1〜3割あり、転居や要介護度の変化で再度利用できる場合もあります。

また、地方自治体による補助制度は内容も金額もさまざまあるため、市区町村ごとの制度を事前に役所や地域包括支援センターに確認しておくと安心です。

まとめ

老後の住まいは「安心して暮らせること」が第一。今の住まいに何が必要なのかを早めに見極め、優先順位をつけて進めることが、快適なシニアライフにつながります。さらに、なるべく負担を軽くするためには、補助金や助成制度も上手に活用しましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))

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