AIサービス会社元社長ら4人逮捕 111億円売り上げを水増し疑い

1

2025年10月09日 21:30  毎日新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

毎日新聞

オルツ本社に家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=東京都港区で9日午後2時53分、佐藤緑平撮影

 売り上げを計約111億円水増しした書類を関東財務局に提出したとして、東京地検特捜部は9日、人工知能(AI)技術を利用したサービスを開発する「オルツ」(東京都港区)の元社長、米倉千貴(かずたか)容疑者(48)ら4人を金融商品取引法違反(粉飾決算)容疑で逮捕した。


 オルツは、会議の内容を自動でまとめるサービス「AI GIJIROKU(議事録)」を主力商品にして急成長し、2024年10月に東証グロース市場に上場した。しかし、25年4月に証券取引等監視委員会から粉飾決算の疑いで強制調査を受け、8月に上場廃止となった。特捜部は、業績を好調に見せかけて会社の維持を図ろうとしたとみて実態解明を進める。


 他に逮捕されたのは、元取締役の日置友輔容疑者(34)ら3人。


 逮捕容疑は、4人は共謀して、22年1月〜24年6月の売上高が約11億3400万円だったのに、約96億2100万円と虚偽の記載をした有価証券届出書を24年9月に提出▽24年の売上高が約10億9000万円だったのに、約60億5700万円と虚偽の記載をした有価証券報告書を25年3月に提出――したとしている。過大記載には一部重複があり、実際の売り上げ水増しは約111億円とされる。


 特捜部は9日、本社を家宅捜索した。オルツは「深くおわびする」とコメントした。


 オルツが設置した第三者委員会は25年7月、AI議事録を巡る販売で広告代理店との間で取引を装ってオルツに資金を還流させる「循環取引」が行われていたと指摘。21年12月期から4年間の売上高の約86%に当たる計約119億円が架空だった。第三者委は不正な会計処理について、米倉容疑者ら当時の経営陣が主導したと認定した。


 オルツは14年に設立。第三者委の調査結果を受けて米倉容疑者は社長を辞任し、オルツは民事再生手続きの開始決定を受けた。【岩本桜、五十嵐隆浩、佐藤緑平、北村秀徳】



このニュースに関するつぶやき

  • 昔勤めた会社も粉飾決算バレて倒産してたなぁ。2、3年前に。ご愁傷様。
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定