<セ・CSファーストステージ:DeNA6−2巨人>◇第1戦◇11日◇横浜
横浜で大暴れした。今季2位のDeNAは3位巨人との「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストステージ第1戦に、筒香嘉智外野手(33)が「4番三塁」で先発。2回先頭で右翼席へ先制ソロを放つと、3回2死一、三塁では右翼への適時打で追加点を挙げた。さらに6回1死で左翼ポールに直撃するこの日2本目のソロ本塁打をかっ飛ばすなど、4安打3打点と大活躍。青く染まった横浜スタジアムを熱狂させ、2年連続でのCSファイナルステージ進出に王手をかけた。
◇ ◇ ◇
まさに主砲の存在感だった。2回先頭、2ボール。筒香は落ち着いていた。「甘い球がきたらいこうというだけでした」。巨人山崎の高めのスライダーを引っ張りこんで右翼席への先制ソロ。「昨日、三浦監督が会見で言っていた通り、先制点は大事だと思っていた。先制できてよかった」とうなずいた。2本塁打を含む自身8年ぶりの4安打固め打ちと、もはや手がつけられない。それでも「CSですのでこの初戦とれたのが一番です」と冷静だった。
自分が打つだけが全てじゃない。2点リードの8回、マウンドに上がった伊勢に三塁から声をかけにいった。「砂入れたかったら、ちゃんと言っていいからな」。マウンドは雨でぬかるんでいた。さらに巨人との前回対戦で自己ワーストの5失点で逆転負けを喫して以来の難しい登板。さりげない言葉で背中を押した。筒香は「声かけなくても伊勢は大丈夫だと思います」と謙遜するも、伊勢は「ゴウさんは苦しいときにも常に声かけてくれて、守ってくれるという雰囲気をつくってくれる。頼もしいです」と感謝した。
|
|
普段の取り組む姿勢からも、自覚がにじむ。1日のリーグ最終戦から2日後。チームは2連休目だったが、筒香は横浜スタジアムにいた。戸柱、桑原、神里、柴田、京田、林、石上らとともに休日返上で汗を流した。「シーズン中に完全オフにすると、休み明けの感覚が良くないこともあるので、完全オフというのはほぼないです」といつも通りのルーティンで調整した。2月のキャンプ中も休日や休み前日の夜、急に思い立ってホテルから徒歩で室内練習場に出向き打ち込む日も。四六時中、常に野球のことばかり考えてきた。
今季は開幕から思うようにいかない時期もあったが、軸はぶれなかった。自分を信じてやるべきことをやる。8月以降は14本塁打と爆発。CS初戦でもチームを勢いづけ、CS通算8本塁打はセのタイ記録も「周りの人に感謝したい」とさらり。ここぞで打つから、筒香は筒香なのだ。【小早川宗一郎】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。