<セ・CSファーストステージ:DeNA6−2巨人>◇第1戦◇11日◇横浜
巨人が土俵際に追い込まれた。下克上への門出の一戦はDeNAに完敗。先発の山崎伊織投手(27)は6回5安打4失点と粘りきれずに劣勢を招いた。打線も相手先発ケイの前に若林楽人外野手(27)の2ランを含む2安打で2得点だけ。上位打線に快音はなく、ことごとく凡打の山を積み上げた。負ければ即終戦の12日の第2戦は、12年に日本一を知るベテラン長野久義外野手(40)がベンチ入りする見込み。勝てば逆王手で流れは変わる。
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ハマの主砲の応援歌に押された。巨人が完全アウェーの敵地で圧倒された。霧雨を浴びるマウンドで山崎の額に脂汗がにじんだ。2回、DeNA先頭の筒香に先制ソロを食らうと、3回にも適時打、6回にもソロ弾…。4番手の中川も左前打されて、やりたい放題に暴れられた。前日会見で名前を挙げて警戒していた阿部監督は「まあ、僕らの指示は出したんですけどね。そのミスです」と口を一文字に結んだ。
もくろみが1歩及ばなかった。6番に若林を抜てきし、7番にリチャードを置いた。指揮官は「前の2人が出塁したときの選択肢が増える」。2回先頭の4番岡本、5番岸田の連続四球で無死一、二塁の好機を迎えた。若林が犠打を決めて1死二、三塁の絶好機をつくるも、リチャードが最悪の二飛で凡退。吉川が申告敬遠され、山崎は空振り三振に倒れ「流れを持ってこれそうで持ってこれなかった。いい形はつくったんだけど」と先制点をつかみ損ねた。
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むろん、短期決戦だけに振り返っても前には進めない。勝利以外の打開策は何一つない。後がない一戦は6日に1軍合流したベテラン長野が“切り札”として出場登録される可能性が高い。12年の前回の日本一を知るベテランをチームの輪に加える。阿部監督は「もう1回勝つチャンスがあるし、そう思って。明日に切り替えるだけです。もう全員でいくつもりで、ブルペンも全部使っていくつもりでやりますので」と宣言した。
先勝を許すも、勝てば逆王手。このまますんなりと引き下がるつもりはない。【為田聡史】
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