チョ〜さんワールド全開の花道だった。巨人長野久義外野手(40)が14日、都内ホテルで引退会見を行った。今後は球団のフロント業務を検討しつつ、大学院に進学しスポーツビジネスを学ぶプランを披露。好きな言葉は「ミズノ」。巨人とは「プロ野球球団です…」。今オフにもメジャー挑戦の可能性がある岡本には「いってらっしゃい」と逆に花束を贈った。最後は坂本、小林ら選手、コーチ、スタッフ、総勢53人の仲間がサプライズで駆けつけた。
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長野が“開演”を告げた。「このたび、ユニホームを脱ぎ、大学院に進学することを決めました。これまで応援してくださった皆様に感謝の気持ちをお伝えするためにこうして会見を開いています」。序盤はやや緊張した面持ちだった。
引退の決断は「そろそろかなと思った自分もいましたし、まだまだやりたいなという思いも多少はあったんですけど、若い選手に託すことを決めました」。
故郷で暮らす両親には「ちゃんと報告はしていないような気もしますし、宮崎のファーム選手権でプレーすることは伝えました」と最後の打席となった4日のファーム選手権前には決断していた。
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去就の相談は「選手では(坂本)勇人にしか話していませんでした。ポストシーズンが残ってる中、話をするのはどうかなと思ったんですけど、やっぱり話はしとかないと思ったんで」とCS前には報告した。
坂本の存在は「野球選手としてすごく尊敬する部分もたくさんあります。僕にはなかった努力の才能がやっぱり勇人は持ってるなと」は本音だった。
阿部監督には「若い頃からかわいがっていただいて、僕と勇人を一番近くで見てきた先輩だと思います。今年、監督を勝たせられなかったことがすごく残念です」も本音だった。
プロ生活は「まずルーキー時代に新人王、2年目首位打者、3年目は最多安打。プロ野球って簡単だなと思ってしまった自分がいたんですが」とし「さすがそこはそう甘くはなかった世界でした」と頭をかいた。
16年間もプレーできた要因は「いっぱいご飯食べて、いっぱい遊んで、しっかり練習して、昼も夜も精いっぱい頑張りました」とグラウンド内外、昼夜問わず、プロ野球選手を存分に楽しんだ。
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4年間を過ごした広島には「すごく大切な時間でしたし、気がつけば4年間で、ジャイアンツ時代のチームメートも含めて2倍の素晴らしい仲間ができた」と“第2の古巣”になった。
2度の入団拒否で3度もドラフト指名を受け「いろいろ言えないことも多いんですけど、今考えると大変だったなと思ってます」。同時に「ファイターズ、ロッテのスカウトの皆さんに指名して良かったなと思ってもらえるように必死に成績を残すことだけを考えてやってきた」と感謝した。
08年ドラフトで巨人を選んで良かったのか…には「はい」とひと言。巨人をひと言で表すと…には「え〜難しいなぁ。ちょっと待ってください」と30秒熟考し「プロ野球のチームです」。好きな言葉は…には「大学生の頃からスポーツメーカーのミズノさんにサポートしていただいてたんですけど、プロ入りしてからも16年間ずっとサポートしていただいた。好きな言葉は『ミズノ』です」。
最終盤は「みんな裏でざわざわしてるのでそろそろ」と舞台裏で待機する仲間を思いやり“終演”を告げたが、最大規模のサプライズが待っていた。
大城卓を先頭に選手、スタッフが次から次へとサプライズで登場。選手、コーチ、スタッフ総勢53人、異例の大所帯で壇上があふれ「おい、おい、来すぎでしょ(笑い)」。今オフ、ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を球団と本格的に協議する岡本には小声で「いってらっしゃい」と大きな花束を逆サプライズで手渡した。
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この先も数え切れないぐらいのサプライズで長野が驚かせてくれると確信した。【為田聡史】
○…長野が盟友にエールを送った。坂本とは“サカチョー”コンビとして長年チームをけん引。引退の報告をした際には「まだ(一緒に)やりましょうって話だったんですけど。いろいろあった」と、やりとりの一端を明かした。長野の引退によって、来季は坂本がチーム野手最年長となる見込みだが「まだまだ若いのでもうひと花、ふた花咲かせてほしいなと思います」と期待した。
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