「何のためにプレゼンするのか」を言語化してみると、ほとんどの場合「(どこで)誰に、何を、どうしてもらいたい」という構造になっています。
カギは「誰に」です。相手がいるわけです。プレゼンは人に何かを伝えて、賛成してもらったり、動いてもらったりすることを目指してやるわけですから、当たり前です。
そして、この「相手が誰か」をイメージしながらプレゼンを作っていきます。
具体的には、
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・どういう立場にいるのか
・どんなことに興味があるのか
・どんなことをこのプレゼンに求めているのか
・専門的な要素についてどのくらい理解できるか
・何をどんなふうに言うと、ネガティブな反応をするのか
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といったことです。
聞き手のイメージができれば、その人たちの反応を想像しながら準備することができます。話す内容、言葉遣い、話し方など、その「聞き手のイメージ」に基づいて伝える内容を作り上げていくわけです。
●上司に「それで?」と言われないためには
「何のためにプレゼンをするのか」「聞き手はどんなイメージか」を考えた後、次に考えるべきは「ゴールは何か」です。
このプレゼンを通して、「聞き手をどういう状態に持っていくか」「どこをプレゼンのゴールとするのか」を言語化します。
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具体的に言えば、
・聞き手が賛成にせよ反対にせよ、何らかの意見を表明してくれればいいのか
・聞き手に動いてもらう必要があるのか
・聞き手が賛成してくれたらいいのか
というように、聞き手が「どこまでやればいいのか」を決めるのです。
ここで、次の2つを比べてみてください。
A「営業部と連動して、欠品に対してより迅速に対応できるシステムを開発したいのです」
B「営業部と連動して、欠品に対してより迅速に対応できるシステムを開発したいのです。つきましては、営業部長の〇〇さんに部長からもお話しいただけませんか」
さて、どちらが仕事をスピーディーに進めることができるでしょうか?
実際には、Aのような伝え方をする人も多いですが、これでは「聞き手」が何をすればいいのか分かりません。
上司に何か伝えて、「それで?」と言われる人は、大体こうなっています。「それについてはまた別途ご相談します」と答えていたら、また話が進まなくなるのは目に見えています。
中には「理解してもらうのが目的」という方もいますが、このゴールはおかしいのです。伝える側が、聞き手に「理解したうえで、どうしてほしいのか、君が動くのか私が動くのか、どうすればいいのか」ということを、必ず考えなくてはならないのです。
全てのプレゼンは、ゴールを達成するためにあります。聞き手のことを考え、聞き手をどういう状態に持っていきたいかを見定めてから、それを実行するために何をすればいいか、何を伝えればいいのかを逆算で考えていきましょう。
この記事は伊藤羊一(著)、 清水めりぃ(マンガ)の書籍『マンガですぐ読める 1分で話せ』(SBクリエイティブ、2023年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
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