16日、ワシントンで記者会見する国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は16日の記者会見で、人工知能(AI)導入による生産性向上などが、世界の経済成長率を最大0.8ポイント押し上げるとの見通しを明らかにした。ただ、関連株価の大幅上昇を「熱狂」と表現し、注意深く見守る意向を示した。
ゲオルギエワ氏は、「AI投資ブームは(世界に)著しい楽観をもたらしている」と指摘。こうした動きは「大半が米国に集中している」と語った。
また、AIが世界の経済成長押し上げに「0.1〜0.8ポイント程度」寄与すると試算。世界の成長率が3%程度で推移している現状を踏まえれば、「これは大きい」と述べた。
ゲオルギエワ氏は一方で、「AIが熱狂を生み出している」とし、株価などが大幅に上昇していることを警戒。「うまくいけば、非常に良い状況になる」ものの、「うまくいかなければどうなるのか」とも話した。
また、AI普及が格差拡大につながる可能性を懸念。AIの受け入れを巡り「準備が本当に重要だ。(技術革新の)推移は速く、社会が備える時間はそれほどない」と訴えた。