国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が新設した今季最終戦「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」が23〜26日、福岡県飯塚市で開催される。日刊スポーツでは、開幕まで1週間となった16日から選手紹介や開催の意義、大会の見どころを紹介していく。
国別ランキングで世界トップクラスの日本は、代表を4日に決定。女子の複合で21年の東京オリンピック(五輪)銀メダル、続く24年パリ五輪にも出場した野中生萌(28)らトップクライマーが選ばれた。
男女の個人種目やパラ競技の垣根を越えた総合大会で、世界初の国別対抗戦や国内初となる「健常者とパラクライミングが一体」となって行われる。
ボルダーとリードの頂点や、国別対抗戦=団体の初代王者を目指す日本の女子3代表は次の通り。野中はチームジャパンの主将も務める。
◆野中生萌(28=フリー)言わずと知れた2大会連続のオリンピアン。8歳で競技を始め、ボルダーで18年のワールドカップ(W杯)年間総合優勝を果たす。初採用された4年前の東京五輪では、両肩や右膝を負傷して痛み止めを飲みながら「骨の1本や2本、折れてもいい」覚悟で、日本勢初のメダリストになった。
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普及や、強くなるための環境整備にも余念がない。18年にクラウドファンディングで資金を集めてスピード壁を、東京・豊島区の立大池袋キャンパスに建設。今年5月には埼玉・新座市にクライミングジムをオープン。総工費、約1億4000万円を自己負担した。高さ5メートル、幅30メートルの壁から、得意のボルダーが単種目になる28年ロサンゼルス五輪を目指す。
9月の世界選手権(韓国)では、そのボルダーで日本勢最高の9位と上昇気配だ。今大会は2種目にエントリーしており、初実施となる団体ではキャプテンも任される。1997年(平9)生まれ、東京都出身。
◆中村真緒(25=日新火災)アジアユース選手権のボルダーで2連覇を含む4年で3度の優勝(15、17、18年)を誇った有望株。一方でシニアでは伸び悩んだが、今年5月のW杯(米国)で初優勝した。参戦10年目で「諦めが悪いという才能」を発揮。今季、一気に年間総合2位まで躍進した「まおんぬ」が、日本でも躍動する。2000年(平12)生まれ、東京都出身。
◆谷井菜月(22=愛媛県山岳連盟)ユースB時代の17年、世界選手権(オーストリア)の複合を14歳で制し、続く15年の世界選手権(ロシア)ではリードとボルダーの2冠。17歳の時に初出場した世界選手権(ロシア)でトップクライマーと互角に戦って6位に入賞し、驚かせた。24年のアジア選手権では初優勝するなどシニアではリードを主戦場に活躍。2003年(平15)生まれ、奈良県出身。
■大会名 IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025(IFSC NATIONS GRAND FINALE/IFSC PARA CLIMBING MASTER)
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■日程 2025年10月23日(木)〜26日(日)
□23日(木)午前10時30分〜リード予選、午後2時30分〜ボルダー予選
□24日(金)午前10時〜ボルダー敗者復活戦、午後6時〜リード決勝
□25日(土)午前10時〜パラクライミング予選、午後2時〜ボルダー決勝
□26日(日)午前10時〜パラクライミング決勝、午後3時〜エキシビション
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■会場 筑豊緑地公園/いいづかスポーツ・リゾートザ・リトリート(福岡県飯塚市仁保8の37)
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