<パ・CSファーストステージ:ソフトバンク0−6日本ハム>◇第3戦◇17日◇みずほペイペイドーム
エースが望みをつないだ。負ければ終わりの崖っぷちで、日本ハム伊藤大海投手(28)が8回5安打11奪三振無失点の好投。CSファイナルS初勝利を挙げた。昨年はファーストSを回避してソフトバンクとのファイナルS初戦に先発も敗戦。1年後に戻って来た同じ舞台で雪辱を果たし、チームの対戦成績を1勝3敗(アドバンテージ含む)とした。
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エース伊藤は、ヒーローインタビューの最後に叫んだ。王手をかけられてからの逆転突破へ「絶対勝つぞ〜!」。熱い思いをこめた雄たけびがやや聞き取りにくいものになったのは、投球に全集中していた証し。「何も考えてなくて。とりあえず叫べばいいかなと。すみません。口が回ってませんでした」。重圧をはねのけた崖っぷちでの1勝に、ホッとしていた。
11日のCSファーストS初戦は、感情を封印して“クール”に決めたが、この日は勝負どころで目いっぱいに声を張り上げた。「今日、勝ちきれないことには意味がなかったので」。援護が2点となった4回、1死から柳町に中越え二塁打を浴びたが、牧原大をスプリットで二ゴロ、野村を152キロの直球で空振り三振に斬った。激しく雄たけびを上げ、チームを鼓舞した。
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“先輩と後輩”の存在が、好投を引き出した。兄のように慕う上沢との直接対決。「プロ野球選手として1から全て教わった。感謝もありましたし、勝てたのは本当にうれしい」。さらに第2戦の有原の投球も「すごく勉強になった」と言った。
一方で「(1、2戦目で好投した達)孝太と(福島)蓮に『僕らは抑えましたよ』みたいなことを言われていたので、彼らより長いイニング、より多い三振を絶対に取ろうと思ってマウンド上がりました」。2人よりイニングも三振数もしっかり上積みした8回11奪三振無失点。絶対エースが、崖っぷちからのミラクル劇を、開演させた。【永野高輔】
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