<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第1戦フランス大会>◇17日(日本時間18日)◇アイスパーク◇女子ショートプログラム(SP)
【アンジェ=松本航、松本愛香通信員】シニア転向1季目でGPシリーズデビューの中井亜美(17=TOKIOインカラミ)が、今季SP世界最高得点で首位発進した。
自己ベストを一気に9点も上回る78・00点。大技トリプルアクセル(3回転半)を成功させ、昨季世界選手権2位の坂本花織(シスメックス)に1・80点差をつけた。
26年2月のミラノ・コルティナ五輪代表切符は3枚。12月の全日本選手権(東京)まで続く代表争いに、高校2年生の新星が名乗りを上げた。
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100点満点という演技を終え、SP上位3人が並んだ記者会見。中央に座った中井の右は坂本、左はレビトと世界選手権の表彰台経験者だった。「点数が出た時は、跳びはねるぐらい驚きました」。身長150センチの体を大きく使い、会場の2階席まで届く笑顔で滑った演技は自他を驚かせた。肝になったのは、冒頭のトリプルアクセルだった。
「(軌道に入ってから)跳べる感覚がありました。ノーミスをして、ガッツポーズをするところまで、イメージができていました」
SPの演目は10年にバンクーバー五輪銅メダル、世界王者となった高橋大輔さん(39)と同じ「道」。9月、千葉・船橋市の拠点に高橋さんを招き、チームの仲間と指導を受けた。中庭健介コーチ(44)は「道といえば大ちゃん。間の取り方を学びました」と言う。五輪時に1歳だった中井も「そこから表現面でも自信を持ってやれた」と作品としての完成度が高まった。
昨季までの主戦場は同い年で世界ジュニア選手権3連覇中の島田麻央(木下グループ)が注目されたが、地道に爪を研いだ。スケートのシーズン切り替わりは7月1日のため、4月27日生まれの自身は17歳の年齢制限を満たし、ミラノへ挑戦する権利を持つ。五輪切符は3枚。最終選考会の全日本選手権だけでなく、シリーズ2戦上位6人が進むGPファイナル(12月、名古屋)などの成績も選考の大事な要素となってくる。
「やってきたことがちゃんと出せた。今回の五輪はイタリア。今年に合っていると(振付師から)言われて、この曲を選びました」
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「道」はイタリア映画。夢舞台が、視界に入った。
◆中井亜美(なかい・あみ)2008年(平20)4月27日、新潟市生まれ。5歳で競技を始め、18年の全日本ノービス選手権Bクラスで優勝。21年の中学校進学を機に拠点を千葉県船橋市のMFアカデミーに移し、中庭健介コーチに師事。同年ジュニアからの推薦で全日本選手権初出場。中2の22年に全日本選手権で4位となり、23年世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得。通信制の勇志国際高に進学した昨季は、3年連続で出場したジュニアGPファイナルで3位。趣味はK−POPで、宝物はNiziUのライブでキャッチしたMAYUKAのサインボール。血液型O。150センチ。
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