
きっかけは、先日の自民党総裁選で新総裁に選ばれた高市早苗氏が、あいさつで「ワークライフバランスを捨てる」と発言したこと。働き方や長時間労働について、改めて議論が広がりました。
出産・育児、仕事、介護など、ママたちが背負うものは多く、複雑です。日々の暮らしの中で、そのバランスをとることは決して簡単なことではありません。今回は、そんなママたちが試行錯誤しながら自分なりの「ワークライフバランス」を模索した3つのエピソードを紹介します。
エピソード1:育休からの復職、搾乳した母乳をトイレに捨てて働く
第1子を出産したマナミさん(仮名)。はじめての育児は喜びと同時に、予想以上の大変さがありました。保育園の入園通知が届くと、今まで子どもと一緒に過ごした日々を思い出し、職場復帰は嬉しさよりも罪悪感が勝ってしまったといいます。
復帰後。搾乳した母乳は、オフィスのトイレに流すしかない日々。本来ならばわが子に飲んでもらいたい貴重な母乳です。
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「何のために頑張っているんだろう」と彼女がひとり悩むなか、ある日夫から「飲み会で遅くなる」というメールが。その瞬間、マナミさんの心の糸はぷつりと切れ、子どもを連れて実家へと帰ったのでした……。
<トイレに母乳>搾乳してまで働く意味って何?仕事と子育て、優先するべきは…?【第1話まんが】
エピソード2:育休中。介護に苦しむ義母が「復職をやめてほしい」
11か月の娘を育てながら、復職を目前に控えていた育休中のチアキさん(仮名)。夫の実家では義母が80代の義祖母を介護しており、チアキさんもときどき買いものや通院を手伝っていました。

「復帰までの間だけでも力になれれば」そう思って手伝っていたチアキさんですが、ある日、義母から「復職、やめてくれない? もう少し介護を手伝ってほしいの」と言われてしまいます。思わずチアキさんは絶句。義母は介護サービスや施設利用に強い抵抗を示し、「自分の手で最後まで看たい」と言い張ります。

義母の想いと自分の現実の板挟み……。「義母を見捨てるようで心苦しい。でも、私だって働かなきゃいけない」。チアキさんは家族でどうするか話し合うことを決めました。
<自宅で介護!意地っ張りな義母>「明日も来て」あてにされる私。さすがにもうムリ!【第1話まんが】
エピソード3:保育園で働く義母に「仕事辞めて、孫の世話して!」
息子が結婚し、初孫が生まれたミドリさん(仮名)。保育園の副園長をしています。20年前は仕事と育児の両立に悩みましたが、子育ては終了し仕事に生きがいを見いだしながら、夫婦の時間をゆっくり過ごそうと思っていたのですが、ある日息子から驚きの言葉が飛び出しました。
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「お母さん、仕事辞めて孫の面倒見てよ」。
息子の妻のエリカさんからも相談が続きます。どうやらエリカさんは育休前と働き方を大きく変えたくないようです。そのためには、時間も手も足りない……。しかしミドリさんもまだまだ現役で、簡単に保育園の仕事を辞めるわけにはいきません。

エリカさんの言っていることは図々しいのか、もしくは、それくらい彼女が育児と仕事との両立で悩んでいるのか……。「女性」としての仕事への想いに共感や同情しつつも、「母」としての責任を問いたくなる気持ちの狭間で、ミドリさんは大きく揺れ動くのでした。
<母さん、仕事やめたら?>気づかい?それとも……言葉の裏に隠された息子と嫁の真意【第1話まんが】
ママとして、嫁として、義母として。それぞれの立場にいる女性たちは、つい自分を後回しにして「誰かのために」と頑張ってしまいがちです。しかし、その頑張りの裏側には、「本当は助けてほしい」という小さな気持ちが隠れている可能性も。
育児や介護、そして家庭のことは、本来はひとりだけで抱え込むものではなく、大切なのは「つらい」と素直に言えるような関係を家族と築くこと。それこそが、家族と自分のワークライフバランスを守る一つの選択肢かもしれません。
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