※AI生成画像を使用しています 4年前、バツイチ男性と結婚した加藤みきさん(仮名・45歳)はモラハラな義父に悩まされていました。ある日、エスカレートした義父のモラハラ行為に堪忍袋の緒が切れて復讐を決意。
自分を犠牲にしない生活を送るため、夫も巻き込み、モラハラ義父を黙らせる計画を練りました。
◆自分基準で物事を考える「義父のモラハラ」に悩まされて
みきさんは、70代の義父と二世帯住宅で同居中。義父は1階で生活し、みきさん家族は2階で生活しています。義父がモラハラ気質であることを知ったのは、同居開始後でした。
「義父は、家族みんなが自分と同じ行動をとらないと不機嫌になります。例えば、義父が寝る時間に私たち家族が起きていると、下から天井をドンドン突かれます」
こんな生活から抜け出せないのには、やむを得ない事情が……。実はみきさんの夫は、バツイチ。今、住んでいる二世帯住宅は夫が元妻との生活のために建てた家でした。
新居を建てる際、義父は退職金や老後のために積み立ててきた1000万円を援助してくれたそう。そうした経緯から、夫は義父に頭があがらず。また、住宅ローンの名義が夫であり、ローンがまだ1300万円も残っているため、新しくローンを組み、新居を建てることもできません。
「私はフリーランスなので、自分名義で住宅ローンを組むことができませんでした。賃貸に引っ越すことも考えましたが、引っ越し先の家賃に加えて、二世帯住宅のローンや固定資産税なども支払わなければならないので金銭的に無理だなと思いました」
安い中古物件を購入することも考えましたが、やはり今住んでいる二世帯住宅のローンや固定資産税の支払いを考えると、もったいなく思えて諦めたそう。
「最低な考え方ですが、義父母が亡くなって家が売れるようになるまでは我慢しようと思っていました」
◆義母が逝去…「決まった時間に食事を作れ」と要求する義父
ところが、3ヶ月前、義母が脳梗塞で逝去し、みきさんの暮らしはさらに厳しいものになりました。家事を義母に任せっきりだった義父は、みきさんに寄生するようになったのです。
「私が在宅ワークなのをいいことに、義父は朝7時間半、昼12時、夜18時半になると2階にあがってきて無断でドアを開け、『おい、飯!』と言ってくるようになりました」
必要最低限なやりとりしかしたくなかったため、当初、みきさんは義父が希望する時間通りにご飯を出せるように努力していたそう。しかし、仕事の進行状況によっては義父の希望に沿えないことも……。
すると、義父は身勝手な行動に。なんと、希望する食事時間を過ぎると、「おい!何時だと思ってるんだ!?」と怒鳴り散らし、「役に立たない嫁」とみきさんを罵倒するようになったのです。
「さすがに私も限界で、『仕事もあるので毎回、お義父さんの希望通りの時間にご飯は作れません』と言ったんです」
すると、義父は「だらしない嫁」「家事すらまともにできない女は、仕事もまともにできない」「こっちはマズい飯我慢して毎日食べてやってるのに!」など、さらにみきさんを罵倒。
そうした言葉を聞き、みきさんは我慢の限界に。
「気づいたら、『じゃあ、もう一切何もしませんね。役に立たない嫁なんで』と言っていました。義父はまた罵声を浴びせてきましたが、もうどうでもよかったです」
◆夫も巻き込んだ「モラハラ義父への復讐」がスタート!
その日からみきさんは義父の要求を飲まない日常を送るべく、試行錯誤し始めました。まず行ったのは、義父が自分たちの居住スペースに入れないよう、ドアに鍵をつけることです。
「何かを要求したくても、義父が無断で居住スペースに入ってこられないようにしました」
また、できる限り耳栓やノイズキャンセリング効果のあるイヤホンをつけたり、ヘッドホンでBGMを聞いたりして、義父の言葉が聞こえないように工夫して過ごしたそう。なお、その間、義父のご飯は一切作りませんでした。
そんな生活を2〜3日ほど続けたところ、夫から「父さんのご飯を作ってあげてくれないか」と言われました。義父は、ご飯を作ってもらえないことを夫に訴えたのです。
実はみきさん、ある計画が頭にあったため、この言葉を待っていました。思い描いた計画が成功するよう、みきさんはまずは夫に、自分がどんな言葉で罵倒されたかを説明。その上で、「私はもう作りたくない。気になるなら、あなたが作ってあげたら?」と言いました。
すると、夫は少し黙った後、「分かった。俺が作り置きする」と承諾。みきさんは義父と顔を会わせたくなかったため、作り置きのご飯は義父が希望する食事時間の前に、階段上の踊り場に置いておくことに決まりました。
◆夫の“飯マズな才能”を義父への復讐に活用したら…?
一見、親子仲が深まりそうなこの復讐法をみきさんが選んだのには、深いワケがありました。
「実はうちの夫、天才的な飯マズ夫なんです。レシピを見て作っても、なぜかマズくなっちゃうんですよ(笑)」
みきさんの予想通り、義父は夫が作ったご飯を大批判するように。夫は帰宅すると同時に、義父から食事のマズさを叱られるようになりました。
そんな生活が1ヶ月ほど続いた頃、夫に限界が……。いつもは義父の罵声を静かに受け止めていましたが、その日は「毎日うっせーよ! くそジジイ! こっちは忙しい中作ってやってんだよ! そんなに文句言うなら、俺ももう知らねえから自分で何とかしろ!」と激怒したそう。
「もともと物静かな人なので、そんなに強く言えるんだ……とビックリしましたが、想っていた通りの結末になってよかったです」
なお、誰にも食事を作ってもらえなくなった義父は、スーパーやコンビニでお弁当を買うようになったそう。近所の人に「老後は、嫁も息子もあてにならん」と愚痴を言い、自分の言動を顧みない生活を続けています。
自分を犠牲にして義父に尽くしつづけなくてよかった……。そう話すみきさんの強さは、似た状況の方に深く刺さるはずです。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291