10月に値上がりする食品は3024品目。帝国データバンクによると、今年値上がりする商品は2年ぶりに2万品目を超えるという。
たとえば、今まで140円だったペットボトル飲料が200円となったり、3食パックご飯708円が795円、納豆105円が115円以上になるなど、飲食品を中心に幅広い品目で値上げが予定されている。
「食費を削るには、徹底的にムダ買いをやめるしかありません」
そう語るのは節約生活スペシャリストの三木ちなさん。物価高騰でも5人家族で月の食費は、米代や飲料代、外食費などを除き2万円台に抑えているという。
「どのスーパーも売場が似ているのは、手に取りやすく、買いやすいような仕掛けがあるから。それを逆手にとって、スーパーでの買い方を見直すことでムダ買いを防げます」(三木さん)
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消費者の意思決定と行動分析に詳しい行動経済学コンサルタントの橋本之克さんも、こう話す。
「スーパー側の仕掛けと買う側の心理的な先入観で、“必要だ”と思い込んでしまうパターンは多いんです。節約しようと思っているのに、『これ1つくらいなら』と新作のお菓子を手に取るなど、誰もが無意識のうちに非合理的な判断をしてしまうもの。日々よく行くスーパーだからこそ、判断のゆがみや偏りに気づきにくいんです」
そんな、罠にハマらない買い物の仕方を、2人が教えてくれた。
■かごを置くことでムダ買いを防げる
「買い物は、午前中かご飯を食べてから行きましょう。空腹は衝動買いしやすくなります」(橋本さん)
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三木さんは時間を計って買い物をしているという。ゆっくり店内を見て回る余裕を作らず、必要な物だけ買うことに徹するためだ。試食品に手を伸ばすことも少なくなる。さらに、ベーカリーや総菜コーナーがあることの多い出口付近から逆回りに買い物をしている。これは行動経済学からも理にかなっていると橋本さん。
「レジ近くにある商品は、本来必要ではないのに買ってしまう場合が多いんです。かごに数千円分の商品が入っていると、数百円の総菜が安く感じられて、気にならなくなってしまうからです」
スーパーの入口付近で売っていることの多い野菜をかごに入れる前に、肉や魚などの生鮮食品売場に立ち寄ると効率もよくなる。
「最初に価格帯の高い献立のメインを選ぶことで、それに合わせて副菜を決められるので、余計な野菜を買わずに済みます。また、重い肉や魚をかごに入れると『かごが重くなった。いっぱい買った』と勘違いして、買い物欲にストップがかかりやすいんです」(三木さん)
缶詰や乾物などが並ぶ、幅の狭い棚の回り方にもコツがある。
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「お菓子売場やストック品の“細道”の商品を買うときは、かごやカートを置いて、サッと取りに行きます。とくに混雑時は欲しい商品にたどりつく前にもたつきますから、前が空くのを待っている間に目移りして不要なものをかごに入れがちです。冷凍コーナーでも、『便利そうだな。あ、こっちにはスイーツもある!』と誘惑が多いので、かごやカートは置いてから行きましょう。自然と必要なものしか手に取らなくなります」(三木さん)
パッケージや商品広告がよく目についてしまう人は、購入するよう誘導されている可能性があると橋本さんは指摘する。
「目に飛び込んでくる広告には要注意です。“自分のことだ”と勘違いさせて手に取らされたり、印象操作で購買意欲をかき立てられたりしているだけかもしれません。罠は『△△限定』などの言葉。まどわされずに、よく考えて」
三木さんは、野菜売場に向かう前に、地元産の野菜コーナーをチェックするという。
「特売より安く、新鮮な野菜が売られていることが多いんです」
野菜のように消費期限の短いものは、本当に必要な量だけ選ぶことも大事だ。“惜しいから”という理由だけの無理なまとめ買いは、「サンクスコスト効果」が働いているだけで、使い切れずに食品ロスになる恐れがある。この買い回り方で、食費を3割削ることも可能だという。
「東芝データによると、スーパーの1回の平均購入額は3千201円です(’23年12月)。週2回の買い物なら月2万5千円の出費です。1個450円前後の総菜、2人分をやめて、必要なものだけに絞れば、月7千円近くセーブできる計算になります」(三木さん)
買いすぎを招く罠にくれぐれも気を付けて!
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