画像提供:マイナビニュース本日10月20日は「ひとまわり(10)・ふたまわり(20)」の語呂合わせで制定されたリサイクルの日だ。近年、環境配慮への関心が高まるなか、企業にも“使ったあと”までを見据えたものづくりが求められている。リサイクルは単なる廃棄物対策ではなく、資源を次の価値へつなぐ循環の仕組みづくりであり、企業姿勢を示す要素にもなりつつある。
そんな中、第一三共ヘルスケアでは、同社ならではの資源循環の取り組みとして、「おくすりシート リサイクルプログラム」を実施している。
日本では、超高齢化社会に伴い服薬機会も増加し、「おくすりシート(PTP)」は、国内で年間約1万3,000トン(※)生産・使用されている。おくすりシートは、プラスチックとアルミを一体化させてできており、"資源ごみ"として回収できるが、同社の調査では、資源ごみとして認識している割合は27.2%にとどまり、捨て方に悩んでいる人が多いことがわかった。
同社では、こうした課題に着目し、メーカーとして使い終わった後にも責任を持つために、おくすりシートの「リサイクル」に取り組むことを決定。2022年10月に、横浜市でプラスチックとアルミを分離して再資源化を目指す「おくすりシート リサイクルプログラム」を開始した。ドラッグストアなどで生活者から回収した使用済みのおくすりシートを再資源化する日本初(※2)の取り組みで、再生素材はペンやトレーなどに生まれ変わる。
回収量は、開始当初は年間100〜500kg程度を見込んでいたものの、開始から約半年で約280kg、1年目の終了時には1トン超までに増加。拠点も横浜市中区中心の30拠点から実証終了時には60拠点へ、現在は横浜市内全区で100拠点以上に拡大している。2025年3月末時点の累計回収量は約10トンに達し、想定を大きく上回る成果となっている。
プロジェクト担当者によると、現在横浜市のみで展開している取り組みを年内に東京都・東大和市にも拡大予定とのこと。運営コストを踏まえ、持続可能な取り組みの形を検証しつつ進めたいという。まずは、回収された「おくすりシート」の再生プロセスとどのような製品として生まれ変わるのかをきちんと"見える化"し、回収と再資源化の両輪を確実に回していくことを重視していく。
最近では、プログラムに参加することで貯まるポイントで交換できるものとして、おくすりシートから再生した素材でつくった「ボールペン」を制作した。現在は、ベンチなどの大きなものも試験的に制作している。
※1 参考:富士キメラ総研「2019年 メディカル・ライフサイエンスケミカルの現状と将来展望」(PTPシート国内市場2018年実績13,400トン)
※2 生活者参加型のおくすりシートリサイクルプログラムとして(フォルサ)