【ソフトバンク】温厚モイネロ執念グラブ投げ力投で日本S進出「信じてくれた監督とチームに感謝」

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2025年10月20日 22:28  日刊スポーツ

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ソフトバンク対日本ハム 7回表日本ハム2死、際どい判定でマルティネスに四球を与えたモイネロは悔しそうにグラブをたたきつける(撮影・岩下翔太)

<パ・CSファイナルステージ:ソフトバンク2−1日本ハム>◇第6戦◇20日◇みずほペイペイドーム



王者の意地を見せた。ソフトバンクがクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第6戦で勝利し、2年連続の日本シリーズ進出を決めた。第1戦から中4日で先発したリバン・モイネロ投手(29)が、7回1失点の力投で強力日本ハム打線の勢いを止めた。アドバンテージを含め4勝3敗。5年ぶりの日本一奪還を目指し、25日からセ界王者阪神と日本シリーズを戦う。


   ◇   ◇   ◇


頂上決戦にふさわしい激闘だった。先制しても新庄ハムは即座に追いつく。手に汗握る接戦は、2−1のまま9回2死走者なし。守護神杉山が最終打者を左飛に打ち取ると、小久保監督は呪縛から解かれたように首脳陣と激しいハイタッチを交わした。「3連敗して…苦しかったです」。シーズン中から苦しめられたライバルは、最終決戦も手ごわかった。


王者を救ったのは左腕エースだ。第1戦で110球を投げたモイネロが中4日で先発。宝刀カーブ、チェンジアップ、直球は第1戦よりもキレ味が増し、7回1失点の快投で勢いを生んだ。7回2死、代打マルティネスに四球を与えると、グラブを地面にたたきつけた。温厚なモイネロにしては珍しい行動だった。


来日した17年春、ファーム施設の若鷹寮に入寮した際、当時の寮長に食事を振る舞った。「これからお世話になるからね」。チーム関係者は「律義で謙虚な姿勢は変わらない」と証言する。そんなモイネロがマウンドで見せた勝利への執念は並大抵のものではなかった。ヒーローはファイナルのMVPも獲得した。


第1戦から2連勝した。アドバンテージの1勝を含め3勝0敗。CS突破に王手をかけながら、第3戦で歯車が狂った。相手エース伊藤の前に打線が沈黙。主砲レイエスにソロアーチを献上し、完全に目覚めさせてしまった。3戦連続6点差負けの完敗。日本ハムに“逆王手”をかけられ、ベンチに漂うムードは「いい」とは言えなかった。それでも最後に勝ったのは、王者ソフトバンクだった。


2連勝の後、3連敗の窮地から生き返った。2年連続で頂上決戦へ。相手はセ・リーグを圧倒的な強さで突破した阪神だ。昨年の日本シリーズでは、先に2勝しながら4連敗でDeNAに屈した。「阪神は全く見ていない。きょうを勝ちきることだけ考えていた。1日休んで、明後日(22日)から日本シリーズ仕様に変える。昨年の悔しい思いを晴らすべく戦います」。小久保ホークスが、日本シリーズの忘れ物を取りに行く。【只松憲】


▼ソフトバンクが2年連続22度目の日本シリーズ進出を決めた。プレーオフ、CSを勝ち抜いての進出は、前後期Vチームが対戦した南海時代の73年を含め両リーグ最多の10度目だ。日本シリーズの出場回数は巨人の36度に次いで多く、パ・リーグでは西武の21度を上回って最多となった。小久保監督は昨年に続いて出場。監督1年目から2年以上連続でシリーズ出場は86〜88年森監督(西武)21〜23年中嶋監督(オリックス)に次いで3人目。


▼シリーズで阪神と対戦は64、03、14年に次いで4度目となり、過去3度はすべてソフトバンクが勝利。シリーズで4度以上対戦するのは巨−ソ12度、巨−西10度、巨−オ8度、中−西4度、ヤ−オ4度に次ぎ6カード目。初対戦から巨人はソフトバンク(南海)に4度、オリックス(阪急)には5度続けて勝利したが、ソフトバンクは今回も阪神を倒せるか。


【動画】ソフトバンク・モイネロ7回1失点、中4日も圧巻のピッチング 最後は三振で打ち取る - プロ野球ライブ速報 : 日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/baseball/news/202510200001514.html

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