【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【ジャイアンツコーズウェイ】
現役時代はアイルランドのエイダン・オブライエン厩舎に所属し、わずか2ヵ月半の間にG1を5連勝(セントジェームズパレスS→エクリプスS→サセックスS→英インターナショナルS→愛チャンピオンS)。“鉄の馬(アイアン・ホース)”の異名を取りました。
父ストームキャット、母マライアズストーム(米重賞6勝)という良血で、種牡馬としても成功。2009、10、12年に北米リーディングサイアーとなりました。シャマーダル、ブリックスアンドモルタル、フットステップインザサンド、ガナーティなど、ヨーロッパと北米の双方でトップクラスの産駒を送り出し、日本ではエイシンアポロン(マイルCS)、スズカコーズウェイ(京王杯SC)、エーシンジーライン(小倉大賞典)などが活躍しました。基本的には洋芝向きのマイラー血統で、スピードの持続力が持ち味。配合次第でパワー型に出たり、2000m以上で活躍する仔も出しました。
産駒のシャマーダル、ノットディスタイムなどを通じてサイアーラインを発展させており、前者はロペデヴェガ、ブルーポイントの父となりました。
母の父としてはガンランナー、レモンポップなどを出しています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「昨年の新種牡馬の現時点の通算賞金順位は?」
上位5頭は以下のとおりです(JRA賞金、10月19日まで集計)。
1位サートゥルナーリア 123,538万円
2位アドマイヤマーズ 88,524万円
3位ナダル 81,056万円
4位ルヴァンスレーヴ 79.037万円
5位モズアスコット 77,967万円
2歳6月に産駒がデビューしたあと1年半近くが経過し、現在3歳10月。ショウヘイやファンダムを擁するサートゥルナーリアが頭ひとつ抜けています。2位アドマイヤマーズは桜花賞と秋華賞の牝馬二冠を達成したエンブロイダリーを出しました。3位ナダルと4位ルヴァンスレーヴはダート向きの種牡馬で、出走回数は前者が440回、後者が667回。ナダルはルヴァンスレーヴの3分の2の出走回数しかありません。5位モズアスコットは10月11日のサウジアラビアRCでエコロアルバ、ガリレアがワンツーフィニッシュを決めて順位を上げました。
以上の5頭は初年度産駒(現3歳)の勝馬率がすべて40%を超えており、さすがというべき成績です。