サッカー日本代表・鈴木彩艶の市場価値が倍増! 若きGKを欲しがるビッグクラブ3選

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2025年10月21日 10:10  webスポルティーバ

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 セリエA・パルマで2シーズン目を迎えている23歳の鈴木彩艶は、超一流プレーヤーの道を確実に歩いている──。

 パルマのDFラインが決壊しても、幾度となくピンチを防いできた。それはしっかりとした準備を怠らず、迅速かつ正確な判断をスムーズに実行できているからだ。シュートストップやクロス対応に磨きがかかり、ミドルレンジのフィードも精度が増した。パルマの同僚が欲しがる足もとに、スペースにズバッと刺す。

 また、23歳の若さながらGKに必要とされる威圧感も漂わせている。そして、飛び道具とも言える得意のロングフィードは、飛距離なんと80メートルにも及ぶ。

 パルマからステップアップしていく日は、遠くない未来に訪れるだろう。「メガクラブが虎視眈々と......」はメディア作のおとぎ話ではない。「ヨーロッパの列強は『Suzuki』の名を獲得リストの上位に書き記した」と、イギリスのスポーツ専門チャンネル『sky sports』をはじめとする欧州の大手メディアも、この若き日本代表GKが推奨株であることを確認している。

 パルマの次に選択すべきルートとして、まずはミランが挙げられる。セリエA屈指のブランドであり、パルマとは次元の違うプレッシャーが経験できるはずだ。

 古くはエンリコ・アルベルトージ(1974年〜1980年)に始まり、セバスティアーノ・ロッシ(1990年〜2002年)、クリスティアン・アッビアーティ(1998年〜2016年)、ジーダ(2000年〜2010年)、近年ではジャンルイジ・ドンナルンマ(2015年〜2021年/現マンチェスター・シティ)など、記憶に残る名GKが名門の矜持を背負って戦ってきた。

 ミランの直近2シーズンは、マイク・メニャン(2021年〜)が一番手だ。まだ30歳で、GKとして脂が乗る年齢である。今シーズンからキャプテンを任されたように、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の信頼も非常に厚い。昨シーズンはリーグ戦37試合に出場し、故障グセの悪評も吹き飛ばした。鈴木にとっては手ごわいライバルだ。

 ただ、来年6月に満了を迎える現行の契約を、クラブ側は更新する予定がないという。メニャン本人も残留する意志は薄く、この動きを察知したユベントスが水面下で接触を試みているようだ。

【24歳以下ではトップ10入り】

 メニャンの近況を踏まえると、早ければ来年1月、遅くとも今シーズン終了後にミランは新たなGKの獲得に動かなければならない。ヨーロッパで高く評価される鈴木に白羽の矢が立つ可能性は十分すぎるほど漂ってきた。

 一方、イタリア以外はどうか。隣国ドイツは世界に誇るGK大国である。ゼップ・マイヤー、ボド・イルクナー、オリバー・カーン、マヌエル・ノイアー、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンなど、歴史を彩る名手を次々と輩出している。

 2010年の南アフリカワールドカップ以降のドイツ代表を支え、バイエルンの「絶対守護神」として君臨してきたノイアーも、ユニフォームを脱ぐ日が近づいてきた。来年3月には40代に突入し、現行の契約も今シーズンかぎりで満了を迎える。

 ただ、「世界一用意周到」なバイエルンのことだ。後継者問題にはすでに着手済みと考えていいだろう。ブンデスリーガから引き抜く得意技を駆使するなら、超人的な反応速度を誇るノア・アトゥボル(23歳/フライブルク)か、足もとのボールさばきと正確なフィードに定評のあるマルク・フレッケン(32歳/レバークーゼン)か。

 それら新GK獲得リストに、鈴木の名前が含まれていても不思議ではない。昨シーズンはクロスを55回キャッチした(『sky sports』)。これはエスパニョールのジョアン・ガルシア(現バルセロナ)に次ぐ5大リーグ2位の数字である。

  バイエルンにはヨナス・ウルビヒ(22歳)という才能豊かな若手もいるが、今シーズンは二番手のポジションも約束されていない。出場のチャンスは限られており、データの更新は困難である。

 一方、鈴木はパルマの第一GKだ。データをさらに上積みできる可能性もある。GKのチョイスにうるさいバイエルンが、ついに日本人GKにすり寄ってくる日が来るかもしれない。

【パルマの契約は2029年6月まで】

「プレミアリーグで自分の力を試してみたい」

 近年、このように考える選手が増えてきた。世界最高峰リーグの舞台はプロである以上、やはり魅力的だ。リバプールの遠藤航、ブライトンの三笘薫、クリスタル・パレスの鎌田大地、リーズの田中碧といった日本代表クラスが挑戦し、クラブに必要不可欠な存在となっている。

 鈴木の実力なら、今すぐにでも通用するだろう。まずはミランやバイエルンで名門の心得を学ぶプランをイチオシしたい一方で、直接プレミアリーグというルートも刺激的だ。

 もしイングランドの地に飛び込むなら、残留争いを演じるクラブやボトムハーフで苦しむ古豪ではなく、いきなり「ビッグ6」を狙ってもらいたい。

 今季の戦力を見るならば、現世界チャンピオンのチェルシーは狙い目だ。

 今夏に行なわれたクラブワールドカップ以降、正GK争いのなかではロベルト・サンチェス(27歳)が好調を維持している。イージーミスがなく、むしろビッグセーブでチームを救っている。「今季の正GKはサンチェスでいいじゃないか」との声も聞こえてきた。

 いや、昨シーズンまでもそうだった。サンチェスは一瞬だけファンを喜ばせるが、急に調子を崩しだすと、もとに戻るまで時間がかかる。カルロ・クディチーニ(1999年〜2009年)、ペトル・チェフ(2004年〜2015年)、ティボー・クルトワ(2014年〜2018年)といった名手の系譜からは外れている印象が強い。

 しかし、鈴木のポテンシャルであれば、チェルシーの一番手として正当に評価されても不思議ではない。同じピッチで見てもらえさえすれば、サンチェスとのポジション争いには勝てる。

 鈴木とパルマの契約は2029年6月まで残っている。今のところクラブ側に放出する意思はなく、カルロス・クエスタ監督も高く評価している。

「無駄がない初動を基本とする守りはもちろん、我々の攻撃はザイオンの正確なフィードから始まるケースが非常に多い」

【日本人初の1億ユーロ超えも】

 しかも、鈴木の市場価値は急騰している。この1年で2000万ユーロ(約35億円)から4000万ユーロ(約70億円)に倍増した。

 2018年、チェルシーはアスレティック・ビルバオのケパ・アリサバラガ(現アーセナル)獲得にGK史上最高額8000万ユーロ(約103億円・当時)を投じたが、パルマも決して安売りはしないだろう。日本人初の1億ユーロ(約175億円)超えも夢ではない。

 いずれにせよ、鈴木はステップアップのルートを十分に吟味すべきだ。シント・トロイデン→パルマという堅実な路線のまま続けていくのか、あるいは一気にメガクラブへ羽ばたくのか。

 ザイオンの時代がやって来る日は近い。

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