アーセナルの堅守を支える(左)ガブリエウと(右)サリバ [写真]=Getty Images 就任7年目のミケル・アルテタ監督のもとで悲願のタイトル獲得を目指すアーセナルが、堅実な戦いぶりで勝利を重ねている。
プレミアリーグで3年連続2位に終わったアーセナルは今夏の移籍市場でスウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュやイングランド代表MFエベレチ・エゼ、スペイン代表MFマルティン・スビメンディらを獲得する大型補強を敢行。今シーズンのプレミアリーグでは8節終了時点で勝ち点「19」を獲得し首位に立っているほか、カラバオカップでも危なげなく4回戦へ進出。チャンピオンズリーグ(CL)も連勝発進と、好調を維持している。
アルテタ監督率いるチームの真骨頂となっているのが、欧州屈指の堅守だ。今シーズンここまで行われた全公式戦11試合で喫した失点はわずか「3」。プレミアリーグ限定で見ると、平均失点はわずか「0.38」となっており、データサイト『Opta』によると、これは2004−05シーズンにジョゼ・モウリーニョ監督率いるチェルシーが打ち立てた年間15失点という最少失点記録を破るペースだという。
平均失点「0.38」に加え、1試合あたりの被ゴール期待値「0.60」は今シーズンの欧州5大リーグにおいて最少とのこと。2シーズン連続でプレミアリーグのゴールデングローブ賞に輝いたスペイン代表GKダビド・ラヤの安定感は増すばかりで、その前方ではフランス代表DFウィリアン・サリバとブラジル代表DFガブリエウ・マガリャンイスが鉄壁のコンビを形成。チーム全体でのプレスの練度も非常に高く、中盤ではイングランド代表MFデクラン・ライスが豊富な運動量を武器にボールを刈り取っている。
強固な守備をチームに根付かせたアルテタ監督はイギリス紙『ガーディアン』を通じて「現代サッカーではほとんどの場合、1点の差が結果を決め、勝敗を分ける。だからこそ、我々はそのわずかな点差にも満足し、勝利への道を見つけなければならない。チーム全体で守備の重要性を認識している。その部分で優位に立てば、試合に勝つ確率が非常に高くなることを理解しているからだ」と自信をのぞかせている。