<コムラノコラム>
昨年6月10日にくも膜下出血で倒れ、死地をさまよいながら復活した日本ハム“奇跡の社長”小村勝球団社長(59)が、自ら寄稿する「コムラノコラム」で、チームや支えてくれたファンへ、感謝の思いをつづった。前日20日にCSファイナルステージで敗退。新庄剛志監督(53)の4年目が幕を下ろした。昨季は3連敗で早々に敗退したが、今季は最終第6戦まで食い下がり惜敗。現地で悔しさを味わった球団社長自身も、雪辱の26年に向け、より力強く、歩みを開始した。
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CSファイナルステージ終了から一夜明けて、移動中です。朝になり悔しさがさらに増しております。1年前、3連敗後に悔しくて眠れずに1人で博多の屋台に出向くと、ホークスファンの方々が喜ぶ姿を見て、全国のファイターズファンへ思いをはせると余計に辛くなり、ホテルを出た時より帰るときの方が、重い気持ちになったのを、昨日の事の様に思い出しました。
結果は2連敗から盛り返しましたが、あと1歩届かず、やはり今年も悔しくて眠れない夜を過ごす事に。ファンの皆さまの期待に応える事ができませんでした。エスコンをはじめとする、パブリックビューイングで多くのファンに御声援を頂いている事も、現地からリポートがありました。全国のファイターズファンには感謝しかございません。本当に1年間ありがとうございました。10日で8試合を全力で闘ったチームの皆さま、シーズン通して本当に、お疲れさまでした。
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「胸を張って北海道へ戻って来て」と温かいメールもたくさん頂きました。みずほペイペイドームのファイターズファンの声も、本当に心強かったです。また同時にホークスファンの熱もすごく、ホームで行う試合の大切さも痛感しました。当たり前ですが、野球は相手チームがあって初めて成り立つゲームです。6試合、お世話になったホークス球団の皆さまにも、改めて御礼を申し上げたいと思います。また、シャンパンファイトの準備をして頂いたホテルや関係者の皆さまにも心から感謝を申し上げます。ホテルに戻り幻の会場に足を運び、ココで…と思うと、涙が出てきました。シャンパンを浴びる選手を見て、もう1度、エスコンに戻りたかった。
今年、エスコンにも球団として(実数発表以降)最高の223万人の方々にお越し頂きました。テーマのひとつに「ビジターリスペクト」を掲げて運営をして来ました。遠く北海道へお越しになるビジターファンの皆さんにも、勝敗にかかわらず、良い思い出にして欲しいとスタッフ一同、心から願っていますので、このテーマは永遠だと思います。
今シーズンの評価をよく問われますが、それは我々がするのではなく、ファンの皆さまが評価する事だと思っています。やはり勝って皆で喜び合いたいという思いがより、強くなりました。
「まだ見ぬ景色を、エスコンで。」を来シーズン実現するために今、一緒に移動している井川オーナーにいろいろと、お願いしようと思っています。1年間熱い御声援、本当にありがとうございました。(北海道日本ハムファイターズ球団社長)
◆小村勝(こむら・まさる)66年1月25日、大阪府生まれ。88年日本ハム入社。加工事業本部マーケティング推進部長時に「シャウエッセン手のひら返し」「シャウ断髪」など新販促を実践。22年から北海道日本ハムファイターズ取締役、ファイターズスポーツ&エンターテイメント取締役。エスコンフィールド開業の23年に、北海道日本ハムファイターズ球団社長就任。
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