

俺が何を訴えても、両親はまったく聞く耳を持たない。「俺が盾になればいい」と思っていたけれど、もうそういう次元の話ではなくなっている。俺は窮地に追い込まれていた。実家の両親は相変わらず現実を直視しようとしていない。



母はこの期に及んで兄貴は「引きこもり」なんかじゃないと言い張っている。いつまでも目の前の兄貴を見ようとせず、言い訳を作って逃げて……。兄貴は放っておいても自立なんかできないって、両親だって分かっているはずなのに。

俺ははじめからこうしなければいけなかった。俺が家族でいるかぎり、カナや子どもたちは俺の実家のこととは無関係にはならない。カナに離婚を告げられても仕方がなかった。
俺は最後通告のつもりで両親に伝えた。「第三者に助けを求めるべきだ」と……。けれど母はハッキリとそれを拒んだ。父もそんな母に意見することはない。両親に変わるつもりがないのならば、俺は実家か家族、どちらかを選ばないといけない。
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参考:厚生労働省|ひきこもり支援に関する取組
原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子