
高市総理が「憧れの人物」と語る、イギリスのサッチャー元首相。“鉄の女”と呼ばれた強さの裏には、初の女性首相としての苦しみがありました。
高市早苗 総理
「国家国民のため、全力で変化を恐れず、果敢に働いて参ります」
きのう、新たな総理大臣に就任した高市氏。
その高市氏が「憧れの政治家」とするのが、マーガレット・サッチャー氏。1979年にイギリス初の女性首相に就任、東西冷戦期に11年にわたって首相を務め、その強硬な政治姿勢から「鉄の女」と呼ばれました。
高市早苗 総理
「自分でサッチャーとは言いません。和製版サッチャーとは言いませんが、でも強い信念と実行力は負けん」
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サッチャー氏を私設秘書として最も近くで支えた側近の一人、スロコックさん。サッチャー氏が女性であることへの反発は強かったと振り返ります。
サッチャー元首相の私設秘書 スロコックさん
「彼女は国の中でも、自分の党の中でも、強い性差別や女性蔑視に直面していました。当時の前首相でさえ、彼女のことを『あの嫌な女』と呼んでいました」
イギリス サッチャー首相(当時)
「野党労働党は、長い選挙戦を繰り広げることで“あの女を仕留める”と言っているそうです。きっと私のことでしょう」
サッチャー氏は男性のような「リーダー像」を見た目や振る舞いで示すことが求められました。
サッチャー元首相の私設秘書 スロコックさん
「小柄な女性でしたが、自分を大きく、力強く見せる必要があったんです。だから声を低く、ゆっくり話すように自分を演出したんです」
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一方、女性の権利向上に積極的に取り組むことはありませんでした。
Q.サッチャー氏が女性の権利のために取り組んだことは何かありますか
イギリス市民
「いえ、ないですね。女性のためには特に思い当たりません」
「思い浮かばないですね」
「あとで検索してみます」
「特に思い出せません。彼女は自分が達成したいことだけに集中していたのだと思います」
それでも、複数の女性首相が後に続く道を切り開いた意義は大きいとスロコックさんは話します。
サッチャー元首相の私設秘書 スロコックさん
「若い女性にとって『女性でも首相になれる』『力を発揮できる』と示したことは、一つのロールモデルになりました。もし、高市さんが首相として女性たちを支えるような存在になれたら、とても良いですね。日本はまだその点で課題がたくさんありますから」
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ジェンダーをめぐる政策課題に保守的な立場を取ってきた高市氏。
女性の政治リーダーが珍しくなくなったこの時代に、どのような姿勢を示すのか、注目されます。