【ゲリラ雷雨】今夏は全国で8万8,100回発生していたことが明らかに - 2人に1人が被害、「命の危機を感じた」人の割合は?

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2025年10月23日 09:30  マイナビニュース

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ウェザーニューズは10月22日、2025年夏のゲリラ雷雨の発生回数と、「ゲリラ雷雨まとめ調査」の結果を発表した。

○今夏のゲリラ雷雨、合計88,100回発生



今年の夏(7月1日〜9月30日)の全国のゲリラ雷雨の発生回数は合計88,100回で、昨年(78,945回)と比べると1.1倍となり、やや増加したもののほぼ昨年並の発生数となった。都道府県別の発生回数を昨年と比べると、東北から近畿、四国は昨年並のところが多く、北海道や中国、九州は昨年よりも多くなっている。



今年は西日本や東日本にかけて勢力の強い高気圧に覆われた。このため、顕著に発生回数が多くなることはなかった。ただ、日中の昇温や複数の高気圧の間に入ったエリアでゲリラ雷雨が発生し、概ね昨年並、例年並の発生回数になった。ゲリラ雷雨の発生回数が最も多くなった都道府県は北海道の10,510回(昨年5,674回)、次いで沖縄県の7,339回(昨年6,965回)となった。今年の東京都は770回となり、昨年の1,049回からやや少ない発生回数ととなった。勢力の強い高気圧に覆われてゲリラ雷雨発生が抑制されたため、ピークとなる8月は昨年比0.6倍と減少している。


今年7月1日発表の「ゲリラ雷雨傾向2025」では、全国でおよそ78,000回発生する予想としており、概ね予想通りとなった。月別でみると、予想よりも7月上旬の発生数が増加した。これは西や東日本の梅雨明けが早く、7月早々にゲリラ雷雨が発生しやすかったためとみられる。また、8月中旬は高気圧が弱まるタイミングで発生数が増える予想だったが、このタイミングで前線の影響を受けたため発生数が予想よりも減少している。一方、9月は前線の影響を受けるため、広域での雨に変わっていく見込みだったが、上旬から中旬ほど大気の状態が不安定となり、ゲリラ雷雨が発生しやすくなった。月別では多少の差があるものの、全体としては概ね予想通りの発生回数となっている。

○発生ピークは8月下旬



月別に見ると、全国のゲリラ雷雨の発生回数は、7月に25,664回、8月に35,321回、9月には27,115回となった。ゲリラ雷雨が一番多かったのは8月下旬、次いで8月上旬と8月中旬、9月中旬となった。それぞれ昨年の同時期と比べると、8月下旬は0.9倍となったものの、8月上旬や中旬、9月中旬は1.2〜1.3倍程度となる。



エリア別で見ると、北日本は8月上旬にピークとなった。東日本は7月上旬と9月中旬がピークとなり、西日本は8月下旬と9月中旬が発生のピークだった。


○記録的猛暑と高気圧縁辺の湿った空気の影響で発生



今年のゲリラ雷雨の発生回数は、全国的に昨年比、例年比ともに1.1倍と概ね同程度となった。7月は太平洋高気圧やチベット高気圧に覆われて、西日本や東日本を中心に晴天かつ気温の高い日が多くなった。7月上旬の発生回数が昨年よりも増加した要因は、例年7月中旬に梅雨明けとなる西日本や東日本で、今年は6月中に各地で梅雨明けとなったことや、高気圧に覆われて気温が上昇し、太平洋側を中心に大気の状態が不安定になったことが考えられる。7月下旬にかけては、2つの高気圧が勢力を強めたため、全国的なゲリラ雷雨発生回数が昨年よりも減少した。


8月は高気圧が複数存在し、その高気圧の間に入ったエリアで大気の状態が不安定となった。加えて、日中の昇温や西日本や東日本に接近した台風による暖かく湿った空気の影響も受けて、8月下旬ほどゲリラ雷雨の発生しやすい状況になった。ただ、関東地方は8月中旬から下旬にかけて勢力の強い高気圧に覆われ続けたため、雲の発達が抑えられ、ゲリラ雷雨の発生は比較的抑制されたとみられる。


9月も高気圧の影響が残り、日中は厳しい残暑が続いたが、次第に高気圧と低気圧が交互に通過する気圧配置に変化した。9月中旬に西日本や東日本では、気温の上昇や暖かく湿った空気の流入のタイミングでゲリラ雷雨が多く発生した。特に関東地方では都心部で大雨となった日があり、記録的短時間大雨情報が発表され、新幹線や航空機などの交通機関にも影響が生じた。茨城県では突風による被害も報告されている。


○2人に1人がゲリラ雷雨に遭遇



10月1日〜10月14日にスマホアプリ「ウェザーニュース」を通じて、2025年のゲリラ雷雨を振り返る質問をし、全国65,304人から回答が集まった。



「この夏、ゲリラ雷雨に遭遇した?(屋内で降られた場合も含む)」と質問したところ、「遭遇した」と回答した人は57.6%と、昨年(72.0%)よりも減少し、約半数の方がゲリラ雷雨に遭遇した結果になった。遭遇率が最も高くなったのは、福岡県で76.3%だった。


ゲリラ雷雨の印象について「この夏、ゲリラ雷雨は多かった?少なかった?」と質問したところ、ほとんどの地域で「少なかった」が多数派となる中、九州や北陸では「多かった」が多数派だった。多かった印象1位は長崎県で53.2%、2位は鹿児島県で49.9%など九州が上位となっている。今年の発生数は東日本で昨年より減少した一方、西日本や北海道で昨年より増加し、特に九州で発生数が昨年比で1.48倍となったため、ゲリラ雷雨の印象に地域差が生じたと考えられる。


○2人に1人がゲリラ雷雨の被害



「ゲリラ雷雨に遭遇した」と回答した人に、「ゲリラ雷雨で起きた被害は?」と質問したところ、半数以上(51.2%)の人が何かしらの被害にあったと回答した。



具体的な被害の内容を複数回答で尋ねたところ、一番多かったのが「交通機関に影響」と「道路冠水」で26.9%、その次に「落雷による停電」が13.9%という結果になった。例年の調査では、「交通機関に影響」が圧倒的に多い結果となっているが、今年は「道路冠水」が2018年以来で最も多く、「交通機関に影響」と同率となっている。


○ゲリラ雷雨によって命の危機



「ゲリラ雷雨に遭遇した」と回答した人に、「ゲリラ雷雨によって命の危機を感じた?」と質問したところ、16.5%が命の危機を「感じた」と回答した。



どんな危機だったかを具体的に尋ねたところ、「近くに落雷」が最も多く70.1%、次いで「道路冠水で立ち往生した」が24.7%となった。実際の雷回数を調べてみると、今年の夏、北海道では雷回数が昨年の約3.47倍となる16,397回、九州では1.30倍となる194,514回となった。このため、落雷によって命の危機を感じる人が多かったと考えられる。


○想定外の出費は過去最高に



「ゲリラ雷雨に遭遇した」と回答した人に、「この夏、ゲリラ雷雨による想定外の出費は?」と質問したところ、23.1%が何らかの出費があったと回答した。



出費額は全国平均で2,939円となり、昨年の2,716円から223円増加し、2018年以降の8年間で最も高額になった。具体的な出費の内容を複数回答で尋ねたところ、「傘など雨具の購入」が65.6%と一番多く、出費の内訳に大きな地域差は見られなかった。


金額が大きくなりがちな「家屋の修復」「車の修理」と回答した人に、修復や修理が必要となった原因について複数回答で尋ねたところ、「浸水被害」が42.9%と最も多く、次いで「突風被害」が25.3%という結果になった。また50人以上の回答があった地域に絞ると、東京都では「浸水被害」が55.4%と最も多く、埼玉県では「ヒョウ被害」「突風被害」が36.2%となった。(Yumi's life)

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