ビジャレアルが声明を発表 [写真]=Getty Images ビジャレアルは22日、『ラ・リーガ第17節 ビジャレアルvsバルセロナ』のアメリカ開催が中止となったことを受け、声明を発表した。
ラ・リーガは、ハビエル・テバス会長の積年の夢だったともされる国外開催の実現に向けて動いており、今年12月・第3週に組まれている『ラ・リーガ第17節 ビジャレアルvsバルセロナ』の試合を、アメリカ・マイアミで開催することに漕ぎつけていた。しかし、選手・監督やクラブ、そして現地サポーターは、移動による疲労や大会への公平性といった観点から猛反発。こうした影響を考慮してか、21日に国外での開催を中止することを発表した。
そうしたなかで、同試合において、ホームチームの扱いとなるビジャレアルが声明を発表。クラブは、アメリカ開催について「クラブの成長、そして何よりも大会の発展に貢献する」と前向きな立場だったとしつつも、開催に際して「シーズンチケットホルダーに対する保証を約束すること」、「両クラブともに、リーグ側から直接的な報酬を受け取らないこと」を条件として提示したことを明らかにした。
クラブ公式サイトにて掲載された声明のなかで、ビジャレアルは「12月20日にマイアミで開催予定だった、FCバルセロナとの試合(第17節)の運営に関するラ・リーガの拙劣な対応について、深い不満を表明します」と始め、以下のように、合意に至るまでの詳細を振り返っている。
「この問題に関する一連の出来事の全経緯を詳細に振り返りたいと思います。『スペイン国外におけるラ・リーガ試合開催プロジェクト』は、ラ・リーガ自体が、大会を世界的に拡大する取り組みの一環として立ち上げたものです。この夏、ラ・リーガはビジャレアルCFに対して、クリスマス休暇前のFCバルセロナ戦に、ホストチームとして参加するよう提案しました。ビジャレアルCFは、これまで公に繰り返し強調してきた通り、このプロジェクトがクラブの成長、そして何よりも大会の発展に貢献する非常に前向きな取り組みであると考え、参加に合意しました。ただし、クラブは試合開催に際して、2つの基本的かつ拘束力のある条件を提示しました」
「1:このプロジェクトのためにラ・リーガが配当する資金は、シーズンチケットに含まれる1試合の観戦の機会を奪うことによって、実際に影響を受けるビジャレアルCFのシーズンチケットホルダーに対する補償に充てられること。具体的には、試合観戦のためにマイアミへの渡航費を提供するか、シーズンチケット代金の一部を返金すること」
「2:参加する両クラブのいずれも、試合開催によってラ・リーガから直接的な金銭的利益を受け取らないこと。その理由は、資金は(上記1で明記した通り)ビジャレアルCFのシーズンチケットホルダーに対する補償に充てるべきであり、そうでなければラ・リーガの他クラブに対して不公平となるためである」
こうして、上記の条件の下で合意に達した両者は、アメリカでの開催を実現させるために動き始めた。しかしながら、このプロジェクトにおける「複雑さ」や「負担」を認識していたビジャレアルは、ラ・リーガに対して計画立案の重要性を喚起し続けたものの、試合開催に向けた進捗状況が芳しくなく、同プロジェクトからの撤退も視野に入れていたことを伝えた。
「ビジャレアルCFは、この可能性が夏に初めて議題に上がった当初から、このような規模の試合開催におけるロジスティック上の複雑さや、サポーターの大規模な海外遠征が伴う負担を十分に認識しており、ラ・リーガの指示に全面的に従う姿勢を示しつつ、すべての要件を満たすために、事前の適切な計画立案の重要性を繰り返し強調してきました」
「しかし、ラ・リーガによる試合開催に向けた進捗が遅れていることを受け、ビジャレアルCFは同組織に対して、繰り返し懸念を表明するとともに、試合時間の確定や、この規模のツアーを取り扱う旅行代理店との契約など、アメリカでの開催に不可欠な重要事項を明確にするよう強く求めました。実際、今週木曜日に会議が予定されており、これらの問題が直ちに解決されない場合、最低限の開催条件が保証されていないとして、クラブはプロジェクトからの撤退を視野に入れていました」
そして最後にビジャレアルは、ラ・リーガのアメリカ開催に向けた調整と事後対応が、拙劣かつ杜撰だったことに対して、憤りを示している。
「そして昨夜、ビジャレアルCFがエスタディオ・デ・ラ・セラミカにて、マンチェスター・シティと対戦するUEFAチャンピオンズリーグの試合開始を数分前に控えた頃、クラブはラ・リーガから電話で、主催会社の決定により試合が中止となる旨の連絡を受けました。しかしラ・リーガは、この情報は機密事項であり、10月8日に試合開催を発表したときと同様に、適切なタイミングを見計らって共同で発表すると伝えてきました」
「それにもかかわらず、わずか数分後、クラブの予想に反して、ラ・リーガはビジャレアルCFが関わる試合の中止を発表する、一方的な声明を掲載することを決定しました。しかも、チームが重要な試合を行っている最中にそれを発表したことは、クラブに対する敬意の欠如、そして感性と共感の欠如を示しているものです」
「ビジャレアルCFは、主催者であるラ・リーガがプロジェクト運営において、より優れたリーダーシップを発揮できなかったこと、また、クラブとラ・リーガの国際的な発展に向けた大きな機会となるはずだったマイアミでの試合が、最終的に開催されないことを遺憾に思います。しかし、当クラブは、クラブと大会の継続的な発展に貢献するという理念と取り組みを引き続き堅持していくつもりです」