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ノルディックスキー複合男子で五輪3大会連続メダルの渡部暁斗(37=北野建設)が23日、あらためて今季限りでの現役引退を表明した。長野・白馬ジャンプ競技場で練習を公開し、長野市内で会見に出席。かねて今季限りで第一線を退く意向を示していたが、冒頭で「今季限りでの現役引退をお伝えしたい」と自ら切り出した。
昨シーズン中に「徒然草」の「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」から始まる一文が目に留まったといい「満開の桜や満月の一瞬のみを切り取るのではなく、芽吹いてから散り際まで、月の満ち欠けの始まりから終わりまで、その移り変わる情景や感情を通してこそ、物が持つ本当の美しさや趣が感じられる、という訳だった」と説明。その上で「桜の木と競技人生を重ね合わせた時、競技人生の始まりから終わりまで、心から堪能できたと素直に思うことができた。すっきりと晴れやかな気持ちで引退を決意することができた」と語った。
来年2月のミラノ・コルティナ五輪に出場すれば、6大会連続となる。14年ソチ、18年平昌では個人ノーマルヒルで2大会連続銀、22年北京では個人ラージヒルと団体で銅を獲得。「全盛期を過ぎたアスリートが、最後のシーズンに発揮するのは、絵空事のように聞こえるかもしれません。ただ、そんな奇跡的なことを起こすことができれば、今まで追い求めてきた金メダルもついてくると思う。無謀のように思えることだからこそ、挑戦する価値がある」と金メダルへの思いを口にした。
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