【ドラフト】4年前の指名漏れ乗り越え…東北福祉大・堀越啓太、大好きな西武から4位指名に感激

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2025年10月23日 20:39  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

球団フラッグを手にする東北福祉大・堀越(撮影・木村有優)

<プロ野球ドラフト会議>◇23日



「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が23日に東京都内で行われ、仙台大の平川蓮外野手(4年=札幌国際総合)が2球団競合の末、広島に1位指名された。東北福祉大からは、桜井頼之介投手(4年=聖カタリナ学園)が中日2位、堀越啓太投手(4年=花咲徳栄)が西武4位、新保茉良内野手(4年=瀬戸内)が中日5位で指名された。


   ◇   ◇   ◇


こぼれそうな涙をぐっと堪えた。堀越が2度目の挑戦で夢をかなえる1歩を踏み出した。「努力してきてよかった」。目はほんのり赤らんでいた。花咲徳栄時代には、仲間だけが指名され、堀越の名は呼ばれなかった。「4年後のこの日に向けてやろう」。下は向かなかった。「何かしらずばぬけているものが必要だ」と4年後を見据えた。自信のあった球速にさらに磨きをかけ、高校3年冬には150キロの大台に乗せた。


高校3年夏が終わったあと、「人生経験」と寮を出た。学校から約50キロ離れた埼玉・飯能市内の自宅から、往復4時間をかけてグラウンドに通った。花咲徳栄時代の恩師、岩井隆監督(55)も「ストイックで練習にも貪欲な子で、引退後も、ほぼ休まずに練習していました」と当時を振り返り、「自分が指名されなかったことを劣等感に変えずにやっていました」とひたむきな努力は恩師の目にも映っていた。


努力が実を結んだ。始まりの地で新たな人生を切り開く。地元埼玉・西武の試合に初めて足を運んだのは小2の春。マウンドには十亀投手がいた。「まだ野球がわかっていない中で、真ん中(マウンド)で投げているのがとにかくかっこよくて」と目を輝かせた少年は野球を始めた。


あの日スタンドから見ていたマウンドへ−。レプリカユニホームを着て応援していたかつての自分に対し「『本物を着られるよ』と言ってあげたいです」と照れ笑い。目指すは「新人王」だ。夢をかなえた少年は頼もしい言葉を並べた。「息が長く、活躍できる選手になりたいです」。ここからがスタートだ。【木村有優】

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