<プロ野球ドラフト会議>◇23日
法大・松下歩叶内野手(4年=桐蔭学園)がヤクルトから1位指名を受けた。自分の名前が呼ばれても表情を変えず、真っすぐにスクリーンを見続けた。
「すごくびっくりして、これは現実なのかっていう気持ちがあって」
どこか夢見心地だった。ヤクルトからの単独1位指名が決まると、その表情は一気に笑顔に。「1年間ずっとドラフト1位でプロの世界に行きたいっていう目標を持ってやってきたので、非常にうれしい」と、喜びをかみしめた。
走攻守3拍子そろった大学球界屈指の強打者だ。東京6大学リーグでは現役最多の通算12本塁打を放ち、三塁手として軽快な守備も披露する。ヤクルトの「4番三塁」を担ってきた主砲・村上は今オフに米メジャーに挑戦する。“ポスト村上”として期待も受けるが、「自分は自分の形でチームに貢献したい。打点を多く稼ぐバッターになって、チームを勝たせられるように」。自分らしさを貫き、躍動する。
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桐蔭学園時代には主砲としてチームをけん引したが、3年の夏は82年以来38大会ぶりの県初戦敗退。「高校と変わったのは頭を使って野球をする所。特に練習の所で、どうしたらうまくなるのか、どうしたら上達するのかっていうのを常に考えてできた」と、悔しさをバネに成長し続けた。
今年7月に日本で開催された「第45回日米野球選手権」では主将を務めた。チームを史上初の大会3連覇に導き、打っては打率3割8分1厘、5打点1本塁打でMVPに。ともに日の丸を背負った創価大・立石にも刺激を受けた。「最初はスイングを見た時に衝撃を受けて、天才系なのかなと思っていたら高い意識で考えているな」。ホテルの同部屋だった2人はバッティングについて意見を交わした。良きライバルとともにプロの舞台へ−。
ヤクルトの本拠地は、主戦場にしてきた神宮球場。「打席に立った時の景色、構えた時の眺めがすごく好き」と、慣れ親しんだ球場への思いをはせた。「1年目から活躍して、チームの優勝に貢献できるように全力で頑張ります」。その瞳の中で、静かな闘志が燃えていた。
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