不足すると男性ホルモン合成力が急速に減少、『男性更年期』に効く7つの栄養素と効果的な摂り方

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2025年10月24日 07:20  マイナビニュース

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40〜50代の男性のなかには「最近やる気が続かない」「体が重い」「気分が晴れない」と感じている人が少なくありません。その背景には、男性ホルモンの低下、いわゆる「男性更年期(LOH症候群)」が隠れている場合があります。



男性ホルモンテストステロンの減少は筋肉や骨の強さだけでなく、集中力や判断力、気持ちの安定性にも影響します。しかし、更年期は「ただ耐える時期」ではありません。むしろ食生活を整え、必要な栄養素を戦略的に取り入れることで、心身の衰えを防ぐことができます。

○男性ホルモン「テストステロン」を守る7つの栄養



男性ホルモン・テストステロンを守る栄養素は主に7つあります。



(1)タンパク質(肉・魚・卵・大豆)



ホルモンや筋肉の原料。体づくりの基本となる栄養素です。



(2)亜鉛(牡蠣・牛赤身肉・ナッツ類)



細胞の合成を促し免疫力を高める必須のミネラルです。



(3)ビタミンD(鮭・イワシ・サンマ・干し椎茸)



精神症状を安定させて、免疫力を高めます。



(4)ビタミンB6(鶏むね肉・マグロ・バナナ)



タンパク質の代謝や神経伝達物質をつくり、メンタル面をサポートしています。



(5)ビタミンC(柑橘類・パプリカ・ブロッコリー)



強力な抗酸化作用があり、体の炎症を防ぎます。



(6)マグネシウム(海藻・豆類・ゴマ)



エネルギー産生に必須で、体全体の活力維持に役立ちます。



(7)オメガ3系脂肪酸(青魚・亜麻仁油・えごま油)



体の中の様々な炎症を抑え、細胞膜を守るはたらきがあります。



これらが不足すると、男性ホルモンの合成力は急速に減少。特に、現代の食生活では、亜鉛・ビタミンD・オメガ3系脂肪酸が不足しやすいため意識的に補う必要があります。

○栄養は"摂り方"がカギ、戦略的に食べるという発想を



栄養素はただ摂ればいいというものではなく、食材の組み合わせや食べるタイミングによって、吸収率や代謝は大きく変わります。つまり、戦略的に食べることが大切です。

○「組み合わせ」で吸収効率を高める



例えば、焼肉は、肉だけでなくサンチュやキムチ、ネギを合わせるとビタミンや酵素が加わり、消化吸収が高まります。ステーキもサラダやブロッコリーを添えるだけで『栄養戦略食』になります。



また、トマト、ベリー類、緑茶などの抗酸化食材を加えると良いでしょう。これらは、体の炎症や酸化ストレスを和らげ、ホルモンが働きやすい環境をつくります。

○1日の中でできる実践しやすい一日の献立例



組み合わせ、食べるタイミングを変え、毎日積み重ねることが男性ホルモンを守り、疲れにくい体づくりにつながります。


朝:卵と納豆でタンパク質+ビタミンB群を確保

昼:鶏むね肉と野菜の炒め物で代謝をサポート

夜:サバの塩焼きと彩り野菜でオメガ3と抗酸化成分を補給



○間食と飲酒習慣も見直して戦略的に



飲酒は気分を高めますが、毎日続けるとテストステロンを下げる要因に。週2日程度の休肝日を設けるだけで、肝臓の回復力やホルモン環境の改善が期待できます。



また、間食には甘いお菓子ではなく、ナッツやチーズ、ゆで卵などを選べば、亜鉛やタンパク質を効率的に補給できます。

○未来を変える「攻めの栄養戦略」



特別なサプリメントに頼らずとも、日常の食事を少し工夫するだけで、体の調子は確実に変わってきます。『攻めの栄養戦略で未来を変える』。更年期は衰えではなく「次のステージ」への転換期です。食事と生活を整えることで、心身の安定や活力はまだまだ維持できます。



「最近調子が出ない」と感じるときこそ、食卓に栄養戦略を取り入れるチャンスかもしれません。攻めの栄養で、人生の後半戦を軽快に戦い抜きましょう。


○梶 尚志(かじ・たかし)


梶の木内科医院 院長・七夕医院総院長、総合内科専門医、腎臓専門医、家庭医、日本抗加齢医学会専門医、健康スポーツ医。1989年、富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。2000年、岐阜県可児市に梶の木内科医院開設。年間約5万人の患者を診察する中で、通常の診察では解決できない不調が多いことに危機感を感じ、改善策を模索。分子整合栄養医学との出会いをきっかけに、不調の原因が栄養状態にあることを確信する。2025年7月、新たに栄養療法に特化した七夕医院名古屋分院を開設。大人から子どもまで栄養学的なアプローチで治療と生活指導を行い、不調の改善に取り組んでいる。


○新刊『更年期の不調の原因は栄養不足が9割』(梶尚志/あさ出版)


疲労感、イライラ、眠れない……。多くの女性が抱える更年期のつらいお悩みですが、その症状には大きな「個人差」があり、ホルモンバランスの変化だけでは説明しきれません。その違いを生む要因は、体質や生活習慣、そして“栄養不足”です。 女性はホルモンの影響を受けやすいため、栄養の乱れが不調に直結しやすいといわれています。「年齢のせいだから仕方ない」という誤解を解き、栄養状態と生活習慣で根本的な対策を。今の不調を和らげ、その後の人生を健康的に生きるために、すべての世代の女性に届けたい新しい“更年期ケア”の一冊です。()

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