
<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第2戦中国杯>◇24日◇華西文化体育センター◇女子ショートプログラム(SP)
【重慶=勝部晃多】26年2月のミラノ・コルティナ大会で五輪初出場を目指す渡辺倫果(23=三和建装/法政大)が、好発進した。74・01点で、自己ベストを1・43点更新。冒頭で大技トリプルアクセル(3回転半)をこらえながらも着氷させ、首位に立った世界王者のアリサ・リュウ(米国)に0・60点差で肉薄した。3位は昨季GPファイナル王者のアンバー・グレン(米国)だった。
フィニッシュポーズを解いた渡辺が、「外れるかと思った」という勢いで右腕を振り回した。次は、両手。全身で喜びを表現した。22年GPファイナルで記録したこれまでの自己最高得点を更新。「自分に負けたくない一心だった」と、早口で興奮気味に振り返った。
「スケート人生の中でも一番と言っていいほど確率が上がっている」と自信を持っていたトリプルアクセル。この日も、冒頭に着氷させ、流れをグッと引き寄せた。スピン、ステップシークエンスも全て最高のレベル4を獲得。世界王者リュウ、昨季のファイナル王者グレンら強豪が集った中国杯で、SP2位スタート。「今大会は自分との戦いだと思う。しっかり自分に打ち勝っていければ」と描いた通り、3年連続の重慶で堂々の演技を披露した。
大技成功の秘訣(ひけつ)は、練習量にあった。3回転半は中学生の頃から跳び始め、21年から4年以上構成に組み込んできた「相棒」。ケガのリスクが伴うが、付き合い方を熟知してきた。「しっかりやっていくことが強くなるために必要」と、調子の良しあしにかかわらず朝練習から回数を重ねるように。「少しずつ取り組んできた成果が出たかな」と胸を張った。
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やらなければならない理由があった。今月上旬のチャレンジャー・シリーズ(CS)ではジャンプミスが重なり、7位に。本気で競技から身を引こうと考え、小学生低学年ぶりに母に「やめる」と宣言した。そんな時、支えてくれたのはMFアカデミーの仲間たちの励ましだった。人づてに中庭コーチが心配していることも聞いた。同拠点の中井亜美や青木祐奈らも大会が控える中、煩わせることに「申し訳ないと思った」。それと同時に「そんな状況で心配してくれるコーチはいない。恩返しのためには結果しかない」と実感し、再び奮い立った。
フリーは25日。「もう今シーズンは悔し涙を流さないと決めている。うれし涙で終えられたら」と意気込んでいた。
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