
「1票の格差」が最大3・13倍だった7月の参院選は投票価値の平等を保障する憲法に反するとして、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の判決で、大阪高裁は24日、「合憲」と判断し、無効請求を棄却した。川畑正文裁判長は「違憲の問題が生じる著しい不平等状態にあったとは言えない」と述べた。
全国14の高裁・高裁支部に起こされた計16件の訴訟で最初の判決。高裁判決は11月末までに出そろい、最高裁が統一判断を示す見通し。
参院選では、格差が5倍前後だった2010年選挙、13年選挙が最高裁で「違憲状態」とされ、国会は15年に人口の少ない「鳥取・島根」と「徳島・高知」をそれぞれ一つの選挙区とする「合区」を導入した。結果、格差は3倍程度に縮小し、16年選挙、19年選挙、22年選挙は合憲とされた。
25年選挙は、22年選挙より格差が0・10ポイント拡大しており、この点をどうみるかが焦点だった。
大阪高裁は判決で、合区の導入によって著しい不平等状態はひとまず解消されたと言及。その上で、合区の導入後に対象の4県で投票率の低下があったことを挙げ、「選挙制度を見直すに当たり、慎重に検討すべき課題があることを示唆している」と指摘した。
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格差是正の取り組みを進めるには手立ての実効性や課題を見極めながら、広く国民の理解を得ていく必要があり、25年選挙までに国会で見直しができなかったのは「やむを得ない面がある」と述べた。
一方で、国会に対しては「現行の選挙制度の抜本的な見直しを含め、格差のさらなる是正の方策について具体的に検討し、国民の理解を得られる立法措置を講じることが引き続き求められる」と注文も付けた。【国本ようこ】
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