
木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第55回
オジさんの年齢になってふと思うのですが、我々は何歳までゴルフができるのだろうか、と。
ゴルフに行くのがしんどいなぁ〜。でも、つき合いだから仕方がない。けど、何回やってもスコアは一緒。むしろ、下がる一方だし、プレー代も地味に値上げされていてしんどい......。
そんな状態が続いて復活のメドが立たないのなら、ゴルフの"手仕舞い"を考えてもいいと思います。
もし自分がゴルフを引退しようと決めたら、どう動くか?
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まず、ゴルフ会員権を処分します。倶楽部に退会届を出して、コースのロッカーに預けているゴルフバッグなどを家に戻します。
そして、ラウンド最後の日を設定して、その直前にコンペをやるべきか? あるいは、人知れずそっと静かにクラブを置くか......なんてね、あれこれ考えたりして。
というわけで、今回はゴルフをやめることを考察してみたいと思います。
(1)ゴルフ引退コンペはやるべきか
実は過去に何度か、知り合いの引退コンペに参加したことがあります。
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そのコンペに行ってみると、主催者はその日限りでゴルフを引退しないのがほとんどでした。とりあえず、「競技ゴルフをやめる」「夏と冬はやめる」「年内はやめる」など、適当に「引退」と言っている人が多かったです。
だから、引退コンペというのは、生前葬みたいなものですか。呼ばれて参加したほうも、引退コンペをネタにして旧友に会うのを楽しみにしているといった感じでした。
自分が同じ立場になったら、何をどう演出しようか? いろいろと参考になりますね。
(2)ゴルフをやめる理由で多いのは?
ゴルフをやめる理由で一番多いのは、健康上の問題です。「ゴルフをやり続ければ、いつ倒れてもおかしくない体だ。ゴルフをやめないさい」と、医者に言われることもあるでしょう。
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アメリカの第34代ドワイト・D・アイゼンハワー大統領は、心臓の持病が悪化。パットを打つ際に「心臓にプレッシャーがかかるから(ゴルフを)やめなさい」と医者に言われたそうです。そこで、大統領はグリーンに乗ったらパットをせずに、すべて2パットで計算することに。"アイゼンハワールール"は、そうやって編み出されたんですな。
ふつう、ドライバーなどのぶん回し系が体に悪そうですが、意外にもパットがダメとは......。
さて、一般的にゴルフをやめる指標として、参考になるのが健康寿命です。日本人男性の平均寿命は81歳ほど。一方、健康寿命というのは心身ともに自立し、日常生活が制限されない期間のことを指し、日本人男性のそれは73歳弱と言われています。
つまり、平均で73歳前後までが寝たきりになったりしないで、健康で社会生活を送れる年齢となります。もちろん、これはゼロ歳からの計算ですので、すでに50歳〜60歳と生きてこられた方は、少しプラスして計算します。
ですから、現実的な健康寿命は75歳と言えます。その歳までゴルフができていれば、ゴルフ人生の勝ち組です。そのあとは、余生。いつゴルフができなくなっても後悔しない、そういう境地に達したと言えます。
また、ゴルフは足腰が丈夫でも、指が痛いとか、視力が衰えたぐらいでもプレーに支障をきたします。
たとえば、構えてから打つまでの動作が鈍いだけでも、周りからブーブー言われて、煙たがられる存在になってしまいます。かといって、毎回「早く打て」とせっつかれていたら、ゴルフは面白くないです。まあ、それに気づく感性を持っていれば、立派なものですけど......。
要するに、自分がスロープレーヤーだと気づかない人もおり、そうなると"老害"になります。お金をたくさん持っている、どこぞの社長さんとかなら、部下が気遣ってくれてプレーできるのでしょうが。
ということで、次にゴルフをやめる要因はこれです。
(3)経済的要因でゴルフをやめる
ゴルフは何かとお金がかかるスポーツです。クラブやボール、シューズなどの道具代。プレー代だって、平日で1万円弱くらいしますか。
5000円以下でラウンドできるコースもありますけど、料金が安いコースは大都市圏からは遠隔地にありがち。そうなると、移動費もバカになりません。車なら高速代やガソリン代がかかりますし、電車移動でもその運賃にゴルフバッグを送る宅配便代もかかります。最近は宅配便代も値上がりして、往復で5000円ぐらいします。なんだかんだとお金がかかるのが、ゴルフです。
長い人生ですから、子育て世代となって小遣いも時間もない場合は一旦、ゴルフをやめるのもアリです。還暦すぎにゆとりができたら、息子や娘と一緒にゴルフをする手もありますし。
とにかく、決して無理はしないことです。ゴルフは所詮趣味。レジャーですから。無理してやって、経済的にしんどくなったら、本末転倒です。
あと、高級外車に乗って名門コースばかり行く連中とゴルフをしていたら、財布が持ちません。そんな人づき合いがしんどくて、ゴルフをやめることもあるでしょう。
となると、最後はこれです。
(4)人間関係が煩わしくてゴルフをやめる
人間関係が煩わしくてゴルフをやめることは、結構あります。ひとり予約ゴルフができたのも、そんな経緯があってのこと。ただ、ひとり予約でゴルフに行ったら行ったで、そこでもまた、人間関係の問題が起きてしまったりするのですが......。
私も何回かひとり予約でゴルフに行ったことがあるのですが、一緒に回る人がうまければ褒めなきゃいけないし、昼休みではどこのコースに行ったことがあるとか、自慢大会が始まったりして。
そういう会話には参加しなきゃいいと思いますが、自分がその他大勢扱いを受けるのが耐えられなくなって、ついこっちもハワイでゴルフしたとか言ったりして。すると今度は、嫌味なヤツといった扱いを受けるハメに。
メンバーシップコースのメンバーになるのも同様です。以前は、他のメンバーさんとの組み合わせでラウンドすることも多くありました。けど、8割はいい人ですが、威張りたがる人とか、上から目線の人とかが2割ほどいるんですよね。
今も別のコースでメンバーになって通っていますが、そこではほとんど友だちを誘っての仲間ゴルフです。そのほうが、ストレスが溜まりません。
そんなわけで、ゴルフ人生を長く続けるには、健康、お小遣い、そしていい仲間の3つが必要です。個人的には、ゴルフは「オヤジの総合格闘技」だと思っています。実際、トータルバランスがよくないと、ゴルフを続けることはできません。
とりあえず、75歳まではゴルフを続けるぞ〜! そのために仕事しようっと。
