老人ホーム投票偽造「大ごとではない」=自民候補の介護業者団体理事長―複数会員に伝達
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2025年10月25日 07:31 時事通信社

7月の参院選で老人ホーム入所者の投票用紙を使い不正に不在者投票をしたとして、公選法違反(投票偽造)容疑で運営会社の元社員が大阪府警に書類送検された事件について、比例区に自民党公認で出馬し落選した「全国介護事業者連盟」(東京都千代田区)の理事長が「大ごとな内容ではない」などと複数の介護事業者にLINEで伝えていたことが24日、関係者への取材で分かった。
理事長は取材に「起きた事実としては大きな問題だが、私や私たちの関与を含めた問題に発展することはないという意味で伝えた」と説明した。
事件は連盟の一般会員であるBISCUSS(大阪市)が運営する老人ホームで7月中旬に起きた。元社員ら3人が50〜90代の入所者計35人分の投票用紙を無断で使い、特定の候補者名を書くなどして、投票を偽造した疑いが持たれている。
今月18日付朝刊などで一斉に報じられたが、理事長は前夜、LINEグループで連盟幹事の数十の業者に記事掲載について連絡。「自民党本部には報告済みであり、○○(党事務局幹部の役職名)からは、大ごとな内容ではないので、気にし過ぎず引き続き頑張るようにとメッセージもらっています」などと報告した。
理事長は、実際は幹部からこうした発言はなかったと説明。「私が幹部の言葉を誤って不十分な情報で発信してしまった。幹部がこう言ったわけではなく、私の解釈。私の活動に何か影響があるわけではないという意味で送った」と述べた。
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