天皇賞(秋)2025に出走予定のブレイディヴェーグ(23年11月撮影、ユーザー提供:DKさん) かつては「牝馬が勝てない」と言われた天皇賞(秋)(3歳上・GI・芝2000m)だが、21世紀になって「女の時代」が到来している。01年以降は延べ34頭が出走して【5-4-6-19】の勝率15%、複勝率44%。05年のヘヴンリーロマンス、08年のウオッカ、10年のブエナビスタ、19年と20年のアーモンドアイと、錚々たる牝馬が勝利しているのだ。
そして今年も強豪牝馬が3頭、エントリーしている。実績で一歩リードはブレイディヴェーグ(牝5、美浦・宮田敬介厩舎)だ。23年のエリザベス女王杯の覇者。24年の府中牝馬Sを制して以降、この1年は5連敗中だが、GI・3戦を含めて全て勝ち馬から0秒5差以内にまとめている。前走の新潟記念は人気を裏切った形の6着だが、暑さが堪えたようで参考外。人気落ちの今回、大一番での復活となっても驚けない。
他の2頭も侮れない。クイーンズウォーク(牝4、栗東・中内田充正厩舎)は重賞3勝の実力馬。今年は金鯱賞で強力牡馬を一蹴し、ヴィクトリアマイルでもアスコリピチェーノからクビ差の2着に健闘した。新潟記念でレース前に転倒して放馬、競走除外となった精神的ダメージが気になるが、力を出し切れれば上位争いになっていい。そして、その新潟記念を制したのがシランケド(牝5、栗東・牧浦充徳厩舎)だ。今年は3戦してGIIIを2勝、唯一の黒星もヴィクトリアマイルでタイム差なしの3着だから、充実ぶりは目を見張る。持ち前の決め手を武器に、牡馬を一網打尽しても不思議はない。
08年の1着ウオッカ→2着ダイワスカーレット以来の牝馬ワンツーまであるか。そういった視点でも要注目の一戦となる。