【沢村賞】選考基準を一部見直し 完投数10→8、投球回数200→180 26年から適用

6

2025年10月27日 17:00  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

堀内恒夫氏(2025年8月)

プロ野球の先発投手に贈られる「沢村賞」の選考基準が、来季から一部見直されることになった。沢村賞選考委員会の堀内恒夫委員長(77)は27日、「来年、沢村賞の創設80周年を迎えるにあたり、沢村栄治さんの名前を汚すことなく、野球の形態に沿った形で一部の基準を見直すことになった」と話した。


変更されるのは完投数と投球回数の2項目。完投数は現行の10から8に、投球回数は200イニングから180イニングに引き下げられる。


15勝以上、150奪三振以上、防御率2・50以下、登板25以上、勝率6割以上の5項目は維持される。18年から参考基準とされている「日本版クオリティー・スタート(7回以上、自責3以下)」の達成率も引き続き考慮される。


近年は救援陣との分業化が進み、完投や長いイニングを投げる投手が減少している。直近10年間(15〜24年)で10完投を記録したのは菅野智之(巨人)と大野雄大(中日)の2人だけ。200イニングを超えたのも前田健太(広島)、大野、菅野の3人。双方クリアしたのは18年の菅野のみで、現行基準の達成は極めて難しくなっていた。


6月に開催した沢村賞検討会議では「伝統を守るべきだ」との意見もあったが、最終的に「時代の流れに合わせ、現実的な目標を示すことも重要」との考えで一致した。沢村賞の理念を損なわず、挑戦意欲を促す基準として改定を決めた。


堀内委員長は「完投を目指す投手が増え、チーム全体で支える文化が根付いてほしい」と話す。選考委員会は今後、達成状況を継続的に検証し、5年後をめどに再び見直しを検討する。【鳥谷越直子】


◆沢村賞 故沢村栄治氏の功績をたたえ、1947年(昭22)に制定。同賞受賞者または同等の成績を挙げた投手で、現役を退いた5人を中心とする選考委員会で決定。当初はセ・リーグ投手を対象にしたが、89年から両リーグが対象。受賞者には金杯と副賞300万円が贈られる。


原則的な選考基準は以下の7項目。


(1)15勝以上


(2)150奪三振以上


(3)10完投以上


(4)防御率2・50以下


(5)投球回200以上


(6)登板25試合以上


(7)勝率6割以上


投手分業制を鑑み、「日本版クオリティー・スタート(仮称=QS)の達成率」も考慮の対象になる。


◆沢村賞選考委員(敬称略、就任順) 平松政次、堀内恒夫、山田久志、工藤公康、斎藤雅樹

このニュースに関するつぶやき

  • 今までが昭和の基準で選考してたからね、もっと見直せる部分あるかもよ。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(2件)

ランキングスポーツ

前日のランキングへ

ニュース設定