夫婦の年金・パート収入はいくらまで?「住民税非課税世帯」に当てはまる収入バランス

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2025年10月27日 21:20  All About

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老後の暮らしは、「住民税非課税世帯」に当てはまると多少年金が少なくても助かります。では、具体的にどのくらいの収入であれば、非課税世帯に該当するのでしょうか。※サムネイル画像:PIXTA
老後の暮らしは、「住民税非課税世帯」に当てはまると、医療費や保険料の負担がぐっと軽くなり、多少、年金額が少なめでも助かります。では、具体的にどれくらいの収入であれば、住民税非課税世帯に該当するのでしょうか。

非課税世帯の該当となるのは、所得以外にも条件がありますが、今回は夫婦の収入面に焦点を当て、経済ジャーナリストでAll Aboutマネーガイドの酒井富士子さんに具体的な収入バランスを挙げてもらいました。

非課税世帯の対象となる、理想的な収入バランス

​​​​​​住民税非課税世帯の条件は、地域によって若干異なりますが、一般的には夫婦合算の年収(年金収入+給与収入)がおおむね360万円以下であれば、非課税のメリットを受けられる可能性があります。

65歳を過ぎて年金生活に入ったご家庭に、私がよくおすすめしているのは、「ご主人が家事を中心に担い、奥さまがパートで働く」というものです。これが世帯全体の非課税ラインを超えずに、家計にプラスにもなる理想的なバランスといえます。

具体的には、以下のラインが目安となります。
・夫(主に年金収入):年金収入が211万円以下であること
・妻(主にパート収入):パート収入が155万円以下であること

特に女性は、年155万円の年金を受給するケースも少ないです。平均90万円程度なので月5万円(年60万円)の収入があっても、155万円以内におさえられます。

65歳以降でも元気な方は多いですから、妻がパートに出ることで社会とのつながりにもなります。また、妻が外で働くことで夫も自然に家事を担うようになり、家庭内のバランスが整うという声も多く聞かれますよ。

非課税世帯であり続けるというのは、節税対策としても非常に賢い方法なんです。「できる範囲でちょっと働く」──これが老後の暮らしをより豊かにするコツだと思います。

ただし、公的年金以外の企業年金や個人年金を受け取っている場合は、その金額も計算に入れる必要があるのでご注意ください。

住民税非課税世帯になると、どんなメリットがある?

住民税非課税世帯に当てはまると、税金だけでなく医療・介護・生活支援の面でも優遇が受けられるようになります。どんなメリットがあるか確認しておきましょう。

・介護保険料が軽くなる
所得に応じて介護保険料が大きく変わります。課税世帯では月に1万円以上かかる場合もありますが、非課税世帯ならその半分程度に抑えられることもあります。

・医療費の自己負担が減る
病気やけがで入院した場合も、非課税世帯は高額療養費制度の自己負担限度額が低く設定されています。70歳以上の一般所得者よりも月当たり数万円ほど自己負担が軽くなるケースもあります。

・給付金や補助の対象になりやすい
物価高やエネルギー価格上昇時の「非課税世帯向け臨時給付金」など、自治体や国の支援制度の対象になりやすくなります。

一見わずかな差でも、長い老後では年間で数万円〜十数万円の負担差につながることもあり、見過ごせないポイントです。住民税非課税世帯を意識することは、単なる節税ではなく、「老後のリスクを減らす行動」といえますよ。

文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
(文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト))

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