
日本のキッチンでも作れる「ビリヤニ」レシピ
「ビリヤニ」という料理をご存知でしょうか。スパイスで味付けした肉や魚、米を層に重ねて炊き上げる、インドの「炊き込みご飯」です。
日常の食事からお祝いの席まで、幅広いシーンで食べられる料理で、地域や家庭ごとにスパイスの組み合わせが異なります。
その「ビリヤニ」を、日本の家庭のキッチンでおいしく炊けるレシピを一冊にまとめた書籍が「『ビリヤニ大澤』のフライパンビリヤニ」です。
炊きたての感動を家庭で体験
著者の大澤孝将さんは、東京の人気ビリヤニ専門店「ビリヤニ大澤」のオーナーです。
大学時代に訪れたインドで本場のビリヤニと出会い、その香りと奥深い味わいに衝撃を受けたという大澤さん。
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「このおいしさを日本でも伝えたい」という思いからお店を立ち上げ、今では常に満席の人気店へと成長しました。
そんな大澤さんが大切にしているのが、「ビリヤニが一番おいしい瞬間は炊きたて」という考え方。
書籍では、その炊きたての感動を家庭で味わえる「フライパンビリヤニ」のレシピを18種類紹介しています。
フライパンでも本格派!大澤さん直伝のポイント
家庭のキッチンで本格的な味に仕上げるためのポイントが、本書には丁寧に解説されています。本記事ではいくつか抜粋してご紹介します。
フライパンは「IH兼用」をセレクト
まずはフライパン選びについて。 大澤さんのおすすめは、IH対応の蓋付き深型フライパン(直径24cm・深さ7.5cm程度)。ビリヤニはグレービー(カレー)と具材、米を同じ鍋に入れて炊き上げるので、深さがしっかりあるフライパンを使うのがポイントです。
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また、底が厚いものを選ぶと熱が均一に伝わり、焦げ付きにくく上手に炊き上がるため、ガス火専用よりIH兼用のものを選ぶといいそうです。
スパイス・香味野菜は風味を大切に
スパイスはホールを調理直前につぶすことで、香りがいっそう引き立ちます。
パウダータイプは開封から時間が経つと香りが飛びやすいため、なるべく新しいものを使うようおすすめされています。
にんにくと生姜はチューブではなく生をすりおろして使うのがポイントです。
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初心者でも作りやすい「キーマビリヤニ」 のレシピ
本書の中でも比較的難易度が低く、作りやすい「キーマビリヤニ」のレシピをご紹介します。
合いびき肉は触りすぎず、ハンバーグを焼くように表面をこんがり焼くのがコツです。
そこにミントの葉を加えることで、爽やかな香りが加わり、肉のうまみがぐっと引き立ちます。
材料(2人分)
バスマティライス……150g
合いびき肉……200g
トマト……1/4個(約50g)
にんにく……2片
しょうが……1かけ
青唐辛子……1〜2本
ミント……1パック
プレーンヨーグルト(無糖)……50g
塩……小さじ1
米油……大さじ1
〈スパイス〉
チリパウダー……小さじ2
クミンシード……小さじ1/2
ブラックペッパー……10粒
クローブ……3粒
カルダモン……2粒
下準備
・バスマティライスはボウルに入れ、ひたるくらいの水を加えて30分以上浸水させる。
・トマトは粗みじん切りにする。
・にんにく、しょうがはすりおろす。
・青唐辛子は小口切りにする。
・ブラックペッパー、クローブ、カルダモンは粗くつぶす。
作り方
1. 深型フライパンに米油、ひき肉、スパイス、塩を入れてまんべんなく混ぜる。弱火にかけ、あまりさわらないようにしてひき肉に焼き色がつくまで焼く。
2. にんにく、しょうがを加えて香りが立つまで炒める。トマトを加えてつぶしながら炒め、ヨーグルトを加えて軽く煮つめる(底が隠れるくらいの水分が残るまで)。
3. 青唐辛子を加えてサッと炒め、火を止める。
4. 別の鍋かフライパンに水600ml、塩小さじ1と1/2(分量外)を入れて強火にかける。沸騰したら、浸水させたバスマティライスをざるに上げ、水けをきってから加える。全体を混ぜ、中火で5分ゆでる(ふきこぼれそうになったら火を弱める)。
5. 4をざるに上げて水けをきり、3にミントを散らしてから加える。表面を平らにならし、ふたをする。弱火にかけ、アルミホイルでフライパン全体を覆って10分炊く。
「ライタ」で広がる、ビリヤニの世界
ライタとは、野菜やフルーツ、スパイスをヨーグルトで和えた副菜のこと。スパイシーなビリヤニにまろやかさを添え、味の変化を楽しめます。
材料(作りやすい分量)
ヨーグルト……50g
紫玉ねぎ(みじん切り・芯を除く)……8g
青唐辛子(みじん切り・種を除く)……1g(約1/5本分)
塩……ひとつまみ
水……大さじ1
作り方
1. ボウルにすべての材料を入れてよく混ぜる。
ビリヤニの奥深さを楽しむ1冊
本書には、今回ご紹介したキーマビリヤニの他にも、チキンやマトン、魚介、野菜、卵など、さまざまな食材をメインにした多彩なビリヤニレシピが収録されています。
さらに、炊飯器を使った手軽なレシピや、日本米で作れるアレンジも掲載。
ビリヤニが初めての方も、すでにお店の味に魅了された方も、
炊きたての一皿を通して“ビリヤニの奥深さ”を感じられる一冊です。
気になった方はぜひ、フライパンを片手に挑戦してみてくださいね。
(撮影:土田 凌)
「ビリヤニ大澤」のフライパンビリヤニ(主婦と生活社)
『ビリヤニ大澤』は東京・神田にある完全予約制のビリヤニ専門店。
2021年の開店以来、満席が続き、予約困難店としても知られる。
オーナー・大澤孝将氏は「おいしいビリヤニ」を追求し続け、
食材、調理方法について日々研究を怠らない。
そんな「世界一のビリヤニマニア」である大澤氏が、家庭でもおいしく作れるように考案したのが
本書で紹介する「フライパンビリヤニ」。
定番の「チキンビリヤニ」「マトンビリヤニ」はもちろん、
「明太子ビリヤニ」「豚キムチビリヤニ」といった変化球、
さらに炊飯器で作るビリヤニやレトルトカレーを使ったビリヤニなど、
家庭向けのビリヤニを18種紹介している。
また、実際に店舗で提供している「マトンビリヤニ」のレシピを手順の一つ一つまで詳細に紹介。
ビリヤニ好きはもちろん、スパイス好き、エスニック好き、カレー好きのあなたにおすすめしたい一冊!
>>ご購入はこちら
(TEXT:菱路子)
