所持品検査が実施された奈良地裁=28日、奈良市 安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判で、奈良地裁は判決言い渡しまで正面玄関以外の出入り口を閉鎖するなどの措置を取り、警備体制を強化する。
地裁は初公判前日の27日から判決を言い渡す予定の来年1月21日まで、正面玄関以外の三つの出入り口を閉鎖。金属探知機を用い、入庁者の所持品検査を実施する。公判が開かれる日には、敷地内の駐車場は利用できず、関係者によると、他の裁判は行われない。
山上被告公判の一般傍聴者には、法廷に入る際にも所持品検査を受けてもらう。筆記用の紙やノート以外は持ち込めず、ペンは地裁が貸与する。
山上被告の公判を巡っては、当初2023年6月に予定されていた第1回公判前整理手続きの日に、地裁に不審物が届き、地裁職員が一時避難する騒ぎがあった。中身は山上被告の刑の減軽を求める大量の署名だったが、この日の手続きは中止になり、4カ月後に行われた。