
米OpenAIは10月28日(現地時間)、組織構造を従来の非営利団体と営利企業という構造から、営利企業をデラウェア州公益法人(PBC)に転換したと発表した。PBCは、公共の利益と社会貢献を目的とした営利法人で、米Anthropicや、イーロン・マスク氏が所有するhisihis米xAIも同様の構造を採用している。
営利企業は「OpenAI Group PBC」(以下、PBC)となり、その成長を財源として「OpenAI Foundation」(以下、Foundation)と改名された非営利団体を通じた大規模な公益投資を行い、汎用AI(AGI)の恩恵を広く行き渡らせる仕組みを確立するという。PBCの経営権は引き続きFoundationが取締役会を通じて持つ。Foundationが支配的なガバナンスを保持することで、利益追求と公益の両立を図るとしている。
これにより、Foundationは、PBC株式を約1300億ドル保有する。Foundationは、医療の進歩とAIのレジリエンス(回復力)のための技術的解決策に250億ドルを投じる計画だ。
Microsoftは同日、OpenAIと契約を更新したと発表した。OpenAIの最大の出資元である同社は、約1350億ドル相当のPBC株式(約27%)を保有する。
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従来の契約では、Microsoftは2030年までOpenAIの技術すべてを顧客に販売や自社製品での使用するために独占的にアクセスできるというものだった。両社はこの契約を2032年まで延長する。新たな契約では、OpenAIがAGIに到達した後も、「適切な安全ガードレール」が備えられていることを条件に技術へのアクセスが可能になる。AGIに達したかどうかは、独立委員会が判断する。
新契約では、MicrosoftのIP権(モデルやシステムの開発に使用される機密性の高い手法と定義される「研究IP」に対するMicrosoftの権利)は、AGI到達か2030年のいずれか早い方までとなる。
また、IP権は「OpenAIの消費者向けハードウェアは含まれない」と明示された。OpenAIは5月、米Appleの元デザイン責任者、ジョニー・アイブ氏が昨年立ち上げたデザイン企業ioのチームを買収しており、消費者向けAIデバイスを開発しているとみられている。
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