1ケ月も早くインフルエンザ流行期に突入。冷えにもウイルスにも負けないために、自力で免疫力を高めるには?

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2025年10月29日 09:20  女子SPA!

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女子SPA!

画像はイメージです(以下同)
10月に入ってから、日によっては寒いくらいですね。つい最近まで酷暑だったのに、急な気温の変化に体がおかしくなりそう。そんな中、気になるニュースといえば、インフルエンザの大流行です。

◆例年より1か月も早い流行シーズン入り

インフルエンザが猛威をふるうのは12月〜3月頃とされていますが、今年は流行が例年より早いとか。10月3日にもう「インフルエンザが全国的な流行シーズンに入った」と厚生労働省が発表しているのです。今年の流行シーズン入りは例年より1ヶ月も早く、過去20年で2番目に早いとのこと。全国で学級閉鎖も相次いでいます。

「流行」の目安は、全国約3000の医療機関から報告された患者数が、1週間/1医療機関あたり「1人」を上回ること(全国平均)。直近のデータでは「3.26人」と、早くも3倍に増えているのです(2025年10月13日〜10月19日、国立健康危機管理研究機構調べ)。

都道府県でみると、東京都の「5.59人」をはじめ、関東・関西の大都市圏で軒並み全国平均をオーバー。地方だと、沖縄県がなぜか「15.04人」と異常なまでの多さです。

これから寒くなっていく中、本格的な流行シーズンの12月〜3月には、どこまで増えてしまうのか? 自分や家族は感染せずにすむか? 今から恐ろしいですね。

◆なぜ今年は感染症が多いのか?

なぜインフルエンザの流行がこんなに早いのでしょうか? 報道では専門家がいろいろな仮説、たとえば「酷暑で体力や免疫力が低下している」ことなどを挙げていますが、原因ははっきりしません。
ただ春〜夏にも、百日咳や手足口病や新型コロナなど感染症が次々に流行ったことを考えると、全体的にウイルスへの抵抗力が落ちているような気もしてきます。

近年では多くの医師が「感染症ドミノ」について警鐘を鳴らし、ニュースでもこの言葉をよく耳にしました。感染症ドミノとは、1人の人が立て続けに複数の感染症にかかってしまうこと。

また、インフルエンザウイルスにも複数の型があるので、1シーズンで2回以上感染することがあり得るそうです。インフルドミノなんて悲惨だ…。

◆ワクチンだけでは完璧には防げない

インフルエンザ対策として直接的なのは、ワクチン接種です。ただ「ワクチンを打っても完璧には予防できない」と厚生労働省。そうなんですか!?

厚生労働省「インフルエンザQ&A」令和6年版には、こう記されています(抜粋、要約)。

<インフルエンザウイルスが、口や鼻、眼の粘膜から体内に入り、細胞に侵入して増殖する状態を「感染」といいます。が、現行のワクチンはこれを完全に抑える働きはありません。

ウイルスが増殖すると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛みなどの症状が現れます(発病)。インフルエンザワクチンにはこの「発病」を抑える効果が一定程度認められていますが、麻しんや風しんワクチンのような高い発病予防効果は期待できません。

また、中には発病後に肺炎や脳症などの重い合併症が現れて「重症化」するケースもあり、インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、この「重症化」を予防することにあります>

そうなると、ワクチン、うがい、マスクのような対策に加えて、やはり自力の防衛システム=免疫力も高めておきたいですね。

◆医師544名が考える、感染症対策とは

免疫とは、体内にウイルスなどが侵入したとき、「異物が来た!」と認識して攻撃し、体を防御するシステム。免疫細胞の6〜7割は腸に存在しているため、腸内環境を整えることが重要だと言われています。

医師544名を対象にしたアンケート調査(2024年)では、感染症ドミノを防ぐ方法として、以下の3つが上位に上がりました。

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Q.同一患者が短期間に複数回感染症に罹患することを防ぐ方法は?(3つまで選択)

1. 免疫機能の維持 62.7%
2. 睡眠時間の確保 56.6%
3. バランスのよい食事 46.3%

※全国の医師544名が回答。
2024年5月17日〜22日、インターネット調査。
ヒューマン・データ・ラボラトリ調べ
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◆免疫力を意識した食生活に

この調査では、免疫機能を維持するための食生活についても聞いています。

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Q.免疫機能を維持するためにおすすめの食材は?(複数回答可)

1. ヨーグルトなどの乳製品 59.9%
2. 納豆などの発酵食品 43.8%
3. 野菜・果物類 42.3%

※調査概要、同上
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先述したとおり、免疫力のカギを握るとされているのは「腸内環境」です。
1位にあがったヨーグルトは発酵食品で、腸内有用菌の代表格である乳酸菌が含まれています。中にはインフルエンザ予防の可能性を示すエビデンスが出ている特定の乳酸菌もあります。

また、2位にあがった納豆や、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品も、有用菌が腸内環境を整えてくれます。

普段の食事にヨーグルトドリンクやインスタント味噌汁などをプラスするなら、忙しくても続けられそうですよね。

また、2021年に福岡女子大学が行った研究によると、「緑茶をほとんど飲まない人(週1杯未満)」と「緑茶をほぼ毎日飲む人(週5杯以上)」を比べると、「ほぼ毎日飲む人」はインフルエンザ発症率が39%低かったそうです(この論文は欧州の権威ある臨床栄養学雑誌に掲載)。

去年の12月末には、患者数平均「64.39人」まで急増したインフルエンザ。今より数十倍に増える冬にそなえて、対策を打っておきましょう。

<文/溝口ゆかり 監修/東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科 寺嶋 毅>

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