
KDDIは10月28日、「NVIDIA GB200 NVL72」をはじめとする最新世代のAIサーバを搭載した「大阪堺データセンター」を2026年1月下旬に稼働させると発表した。早期に稼働に漕ぎつけた、このAIデータセンターには「3つの特徴」があるという。
●シャープ堺工場跡地を利用 AIデータセンター「3つの特徴」とは?
同データセンターは2025年4月に取得したシャープ堺工場跡地を利用する。大規模な電力・冷却設備を再利用し、「KDDI Telehouse渋谷データセンター」で培った水冷技術の知見や、KDDIが30年以上にわたり蓄積してきたデータセンター構築の知見を生かし、短期間でのデータセンター構築を可能にするという。
建物規模は地上4階で、延べ床面積は約5万7000平米。再生可能エネルギー由来の電力を100%利用し、環境にも配慮する。
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工場の跡地を有効活用し、最新GPU(画像処理半導体)の性能を最大限に引き出し安定的に稼働させるための電力供給や水冷技術を実現している。主な特徴は以下の通り。
(1)高度な計算能力と冷却技術
従来の空冷方式に加えて水冷方式の一種である直接液体冷却を導入。NVIDIA GB200 NVL72をはじめとした計算能力が高いAIサーバを稼働している。KDDI Telehouse 渋谷データセンターでの検証で確立した水冷方式に特化した設備設計・運用に関するガイドラインにより、安定して高度な計算能力を提供できる。
(2)ソブリン性の確保
日本国内で運用する同データセンターとして、データやシステムを自国の法律や規制に準拠して、外部の依存なしに管理・運用する「ソブリン性」を確保する。これにより、監視カメラの映像や企業の秘匿情報などの機密性の高いデータも保管し、学習・推論に活用できる。
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(3)広帯域・高品質なネットワーク
KDDIの広帯域インターネットと全国のデータセンター、これらとシームレスに接続可能なモバイルネットワークを一体的に運用することで、多様なデータを同データセンターに集約し、高度な学習・推論を可能にする。
●第1弾のクラウドサービス「KDDI GPU Cloud」も開始
KDDIは今後、AIの学習や推論に最適化した多様なAIサーバを順次稼働させ、最先端のAIサービスを提供していく予定だ。AIデータセンターは、法人へGPUを提供するほか、米Googleの生成AIモデル「Gemini」のオンプレミスサービスなどパートナーとの協業を通じたAIサービス開発・提供に活用する。
2026年4月1日には、AIデータセンターを活用した第1弾のサービスで、NVIDIA GB200 NVL72を提供するクラウドサービス「KDDI GPU Cloud」の申し込み受付も開始するという。AIデータセンターの稼働開始と合わせて、同サービスのトライアル提供も開始する。
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(アイティメディア今野大一)
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