
すでに予約が始まっているところもあるクリスマスケーキ。実はクリスマスケーキはここ数年、平均価格が上がり続けています。ケーキ店をも悩ますそのワケとは…?
値上げが続くクリスマスケーキ 大手メーカーも500円値上げへ…出水麻衣キャスター:
この時期、クリスマスケーキの予約が始まります。高島屋のカタログに載っているクリスマスケーキの平均価格は「5631円」です。
「少々高いな」と感じる人も多いかと思いますが、2024年と比べると2%ほどアップしているということです。
2025年の高島屋クリスマスケーキのラインナップは約80種類で、値段は2502円〜1万1501円となっています。(クリスマスカタログ掲載品の価格帯)
|
|
|
|
2025年のクリスマスケーキのトレンドは、赤やピンクのなど華やかなものが人気で、まもなく予約注文が終了してしまうものも増えているそうです。
クリスマスケーキをめぐってはここ数年、値上がりが続いています。
【クリスマスケーキ 平均価格の推移】
▼2021年:3862円
▼2022年:4084円
▼2023年:4412円
▼2024年:4561円
(各年クリスマスシーズン 帝国バンク)
2021年と比べると2024年の平均価格は約700円も値上がりしています。大手洋菓子メーカーでも2024年は4880円だったのに対し、2025年は5400円と、約500円ほど値上げすることを決めているということです。
こうした状況にSNSでは…
|
|
|
|
「カタログ見るとワクワクするけど、値段を見るとドキッとする」
「近所の洋菓子店からお知らせがきて、爆上がり。令和値段にビビっている」
「クリスマスケーキくらい値段よりおいしさ重視したい気もして悩ましい」
などといった声があります。
クリスマスケーキ なぜ値上げ? ケーキ店の悲痛な叫び出水キャスター:
なぜここまでケーキの値段が上がっているのか。注目したのが、“スポンジの決め手”となる材料です。
調べてみると、クリスマスケーキに欠かせない材料の価格が軒並み上がっています。
【クリスマスケーキの材料費 (東京)】
▼イチゴ:約22%増加(農水省「青果物卸売市場調査」2024年10月25日比)
▼小麦粉:約4%増
▼砂糖:約0.7%減
▼チョコレート:約53%増
▼牛乳:約4%増
▼バター:約15%増
▼たまご:約18%増
(総務省「小売物価統計調査」2024年9月比)
|
|
|
|
中でも、特に頭を悩ませるのがたまごの価格で18%も増えています。
実際に、都内のケーキ店を取材すると、クリスマスケーキの提供を進める中で悩ませているのが、今のたまごの価格はもちろん、これから先の価格だといいます。
東京・世田谷区の「アーモンド洋菓子店」でも、たまごの値段の高騰の影響が出ているそうです。
客離れを気にして、通常のケーキは値上げをしていないそうですが、クリスマスケーキについては苦渋の決断で「108円」値上げしました。
さらに店主が不安に感じているのが…
アーモンド洋菓子店 米田幸介 代表取締役
「(クリスマスシーズンで)これからたまご、ケーキ店はどんどん使うし、たまごを使わないわけには絶対いかないですので、どこまで(値段が)上がるかっていうのが一番の心配ですね」
たまごの価格は2025年だけでもかなり上がっていますが、たまごの流通に詳しい元東京農業大学教授の信岡誠治氏によると、「クリスマスケーキやおでんなど冬物需要のため、価格が下がる見込みはない。今後、鳥インフルエンザなどが発生した場合、価格が上がる可能性もある」といいます。
ケーキ店の中には、「2025年は、ケーキの値段そのものがなかなか決められなかった」というお店も出ているということで、クリスマスケーキからもこういった物価の高騰が見てとれます。
「The HEADLINE」編集長 石田健さん:
特にたまごに関しては、需要がかなり偏ります。
全体で見たときに、数%の値上がりでインフレと同じくらいの上がり幅だと思っても、ある時期に需要と重なりヒットしてしまうこともあるので、難しいですね。
井上貴博キャスター:
たまごは「物価の優等生」と言われてきましたが、これから鳥インフルエンザ流行のシーズンで、鳥インフルエンザが出てしまうと、基本的には全殺処分と決まっているので、事業者もストップしてしまうという苦しさがあると思います。
出水キャスター:
今回、洋菓子店の皆さんの話を聞くと、「やはりクリスマスケーキは美味しいものを食べてもらいたい。値段は上げたくないけれども上げざるを得ない状況を理解していただきたい」と話していました。
==========
<プロフィール>
石田健さん
ニュース解説メディア「The HEADLINE」編集長
鋭い視点で政治・経済・社会問題などを解説
