
<日本シリーズ:阪神2−3ソフトバンク>◇第4戦◇29日◇甲子園
タイガースの不死鳥が、痛恨のアクシデントに見舞われた。日本シリーズ初登板の阪神高橋遥人投手(29)がソフトバンク周東の打球を左肘付近に受け、5回途中2失点で降板した。
超満員の甲子園が絶叫し、その後、水を打ったように静まりかえった。0−1の5回1死一、二塁。初球を捉えた周東のライナーが、高橋の利き腕を襲った。痛みに顔をゆがめながら高橋は懸命に打球を追ったが、一塁・大山が処理。二塁に送球もセーフで満塁のピンチが残り、頼みの左腕はトレーナーらに付き添われてベンチへ。そのまま姿を見せることなく、藤川監督が球審に交代を告げた。
「もっとしっかり投げたかった。もっと…ふがいないです」。試合後の高橋は、何度も自省を繰り返した。
接戦の第1戦を制しながら連敗し、1勝2敗と阪神の形勢は不利に。左肩、左肘など5度の手術を経て再びチームを背負える投手としてよみがえり、DeNAとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦で8回1死まで無安打無得点投球を続けた高橋は苦境打破の希望の星だった。
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2回、先頭の山川に148キロストレートを中堅バックスクリーンにたたき込まれた。先制を許すも、追加点は許さず粘り抜いた。だが5回1死から相手先発の大津を歩かせて一、二塁のピンチを招き、打球直撃による降板。「(ソフトバンクは)強いとは思います。強いとは思うんですけど。自分の問題もあるかなと思います」と振り返った横顔に悔しさがにじんだ。
ポストシーズンに入り、キャッチボールの軌道に手応えを感じていた。ファイナルステージの快投も、次戦への力になった。満を持して臨んだ初の日本シリーズ。だが不運に見舞われ、阪神が誇る左腕は、底力を見せる前にマウンドを降りた。【堀まどか】
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