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<日本シリーズ:阪神2−3ソフトバンク>◇第4戦◇29日◇甲子園
底力を見せる時が来た。阪神藤川球児監督(45)は、短い言葉に決意を込めた。
「振り返っても一緒ですからね。3つ勝つということだけなんで。あしたまず1つを取りに行くと。これしかないので」
そして最後に、力強く口にした。「やります」。余計な言葉はいらない。あとは勝利という結果で示すだけだ。
第1戦を接戦でものにするも、第2戦は2ケタ失点で敗戦。前夜28日に本拠地甲子園に戻ってからも流れを変えられず、まさかの3連敗となった。初戦から2点、1点、1点、2点と、猛虎打線が本来の力を見せられていない。
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それでも兆しは見せている。2回に山川のソロ本塁打で先制を許すも、直後の2回、3回と得点圏まで走者を進めた。この日は3点を追う劣勢が続く中で、終盤の8回に1点差まで追い上げた。あと1本が出れば、流れはガラリと変わるはずだ。
指揮官が「チームの心臓」と誇るリリーフ陣の頼もしさも健在だ。この日は9回に石井がマウンドに上がり無失点。最後まで勝利を諦めなかった。前夜は6回途中から勝ちパターンの及川、岩崎、石井がバトンをつなぎ無失点リレーとブルペンの安定感は抜群。歯車さえかみ合えば、自然と勝機が見えてくる。
試合後の会見場に現れた藤川監督は、気持ちを落とすでも、声を荒らげるでもなく、いつもと変わらぬ様子だった。「明日、まず1試合、しっかりとチャレンジしていくことですね」。まだ、日本一の可能性が消えたわけではない。一戦必勝で、怒濤(どとう)の3連勝へ。史上最速のリーグ優勝を成し遂げた強さを誇りに戦うだけだ。【磯綾乃】
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