「じゃあ辞めます」高圧的な面接官に“怒りの途中退 メディアを追加室”で対抗、相手は狼狽するばかりで…… ある女性の回想

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2025年10月30日 06:20  キャリコネニュース

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世の中には求職者を見下してひどい対応をしてくる面接官も一定数いる。大抵の求職者はそれでも我慢して耐え凌ぐが、面接途中で“怒りの退室”をする強者もいるようだ。

佐藤さん(仮名、30代女性)は10年ほど前に受けた採用面接で、やけに高圧的な担当者に当たってしまったと振り返る。その男性担当者は顔を見るなり、こう言い放ったそう。

「ウチはね〜売上げ何百万とやってきた人が採用されんのよ」

いきなり見下され、ムカついたという佐藤さんは、「じゃあ」と面接中に辞退。するとどういうわけか、偉そうだった男性担当者は態度を一変させて……。この異様な面接の一部始終を佐藤さんに振り返ってもらった。(文:天音琴葉)

「もうこの会社と一生関わらなくていいや」

新卒で入社した地元の建設系企業を「パワハラと労働基準法無視の環境だった」という理由から、試用期間で退職した佐藤さん。その後、地元を離れて日系生命保険会社で「生保レディ」として1年ほどの営業経験を積んだ後、2015年頃、前出の会社で営業職の面接に臨んだ。

当時、佐藤さんは24歳、一方で面接を担当した支店長は40代男性だった。佐藤さんを一瞥するなり、威圧的な口調で冒頭のセリフを言いのけたという。

「『ウチはね〜1人あたり売上げ何百万とやってきた人が採用されんのよ』と、お前じゃ経験不足というような発言と自慢でした」

10年前ということなので、企業側が意図的に圧迫面接をしていた可能性もあるだろう。だとしても圧迫された側は溜まったものではない。見下されて腹が立ったという佐藤さんは、

「そうなんですね、じゃあ受けるのやめたんで履歴書返してください」

と面接を途中で辞退した。当時の心境をこう振り返る。

「なんだか呆れてしまって、もうこの会社と一生関わらなくていいや、と思ったので思い切って言いました」

佐藤さんは支店長の高圧的な態度に、この会社の本質を垣間見たのだろう。

「記憶が新鮮な内に……」即行で本社に苦情電話

あとは履歴書を返してもらって、部屋から出ていくだけだ、と思われた。ところが、支店長はさっきまでの威圧的な態度を一変。ひどく狼狽し始めたのだった。

「目がキョロキョロして声が震えてました。『え、あの返せな』『ゴニョニョ……あの……ゴニョ』と聞き取れない発言を繰り返すばかりでした」

履歴書の返却を拒む支店長に、佐藤さんが「なぜですか?受けること自体を辞めるんですよ?個人情報なんですけど」と詰め寄っても、言葉を濁されただけだった。

「履歴書を返せないと言われたのは、本当に今でも謎です!」

と佐藤さんは語気を強める。真相は謎だが、支店長の反応からすると、会社方針として圧迫面接を行っていたのではなく、候補者を見下し、悦に入っていただけかもしれない。だが、それで選考を辞退されたと上司や人事にバレたら、自身の立場が悪くなるに違いない。

結局、これ以上関わるのは「めんどくさくなった」という佐藤さんは、「帰りますね」と告げて面接会場の建物を後に。

しかし、話はこれで終わらない。「記憶が新鮮な内に連絡したい」という理由から、建物を出てすぐに本社の「お客様センター」に電話を入れたのだ。

「威圧的な面接をされて、選考辞退したのですが、履歴書の返却に対応して貰えませんでした」

こう事情を伝えると、センターの担当者は謝罪し、「事実確認をして、返却するよう伝える」と約束してくれたという。

若い人に圧迫してくるのは「人間としてダサいしイケてない」

その言葉通り、後日、履歴書は無事に佐藤さんのもとへ返ってきた。ただし、同封されていたのは「履歴書を返却します」とだけ書かれた紙が1枚。支店長や会社からの謝罪の言葉は一切なかったという。

佐藤さんは、この一連の出来事で一番嫌だった点について、次のように語った。

「若い人を相手に、こちらに意見を言えない空気で面接やミーティングするのは、人間としてダサいしイケてないですよね。すごく不快でした」

24歳にして散々な経験だったが、教訓も得たという。

「面接の時はボイスレコーダー仕込むか、担当の名前をきちんと覚えておこうと思いました」

※キャリコネニュースでは「面接での信じられないエピソード」をテーマにアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/74FZSHAJ

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