スティーブ・ジョブズも間違えたスピーチの順番、最初に何を話すべきか?【漫画「1分で話せ」】

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2025年10月30日 06:21  ITmedia ビジネスオンライン

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【漫画】『マンガですぐ読める 1分で話せ』

 この記事は伊藤羊一(著)、 清水めりぃ(マンガ)の書籍『マンガですぐ読める 1分で話せ』(SBクリエイティブ、2023年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。


【漫画】『マンガですぐ読める 1分で話せ』


 プレゼンする際には、何を最初に言うかはめちゃめちゃ重要です。相手によって、コミュニケーション全体を考えていかなければなりません。


 例えば、料理のコースを想像してみてください。もしかしたら通常のコースの流れは、前菜、サラダ、スープ、メインという流れになっていたとしても、ものすごく寒い日には最初に温かいスープを出した方が喜ばれるかもしれません。僕は音楽をやるので、ライブでどんな順番で演奏するか、いつも妄想しています。


 プレゼンも同じです。相手が忙しい人なら最初に結論を話して短めにまとめるとか、相手がサッカーが好きならその例えから入ってみようとか、単にロジカルに話すのではなく、相手のことを想像して設計していくのです。


 想像力とは何かというと、愛なんです。だから、プレゼンも愛の告白みたいなものです。


 愛の告白はどうしたらうまくいくかというと、相手のことを考えに考えに考えたから、うまくいく。だからこそ、演出であってもうれしいと思ってくれるわけです。


●ジョブズも間違えたスピーチの順番


 プレゼンの名手と呼ばれるスティーブ・ジョブズもスピーチの順番を間違えたことがあります。


 2007年、初めてiPhoneの発表をした時のことです。


 まずジョブズは「革命的な3つの商品を説明します」と言います(※)。これは聞き手の頭の中に枠組みをつくる重要なテクニックです。


 「1つは、タッチスクリーンのiPod」だと言います。ここで大きな拍手と歓声が起こります。


 「2番目に革命的なモバイル・フォン」だと言っています。観客は興奮して、さらに大きな拍手と歓声で会場が埋め尽くされます。ジョブズは歓声が収まるのを待って、満を持してこう言います。


 「3番目に、これはインターネット・コミュニケーターとしてのブレイク・スルーだ」


 しかし、YouTubeなどで公開されている動画を見ると、3番目の時の拍手は明らかに少ないのです。


 おそらくジョブズにしてみれば「インターネット・コミュニケーターのブレイク・スルー」を実現することこそ重要だったため、この話を最後に持っていったのでしょうが、聴衆の理解がそこまで追い付いていなかったのだと思います。


※最終的にジョブズは、「これらは別々の3つのデバイスではなく、1つのデバイスです」と言って、「iPhone」を紹介しています。



このニュースに関するつぶやき

  • 丸首にデニムが定着したけど、この人がAppleをクビになってNeXTを作った時の七三分けに蝶ネクタイでのプレゼンが気持ち悪かった。ちなみにApple社のOSはNeXT OSがベースで、BSDのパチモン。
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