東京地裁 伊豆大島(東京都大島町)で交際相手の高瀬静香さん=当時(37)=の遺体を焼いて捨てたなどとして、死体損壊と死体遺棄の罪に問われた畳店経営、柳瀬宗達被告(46)の判決が30日、東京地裁であった。今井理裁判官は「残忍で、死者の尊厳を踏みにじった」として懲役2年6月(求刑懲役3年)を言い渡した。
今井裁判官は、柳瀬被告が高瀬さんの遺体を徹底的に損壊し、波の打ち寄せる発見困難な海岸付近に投棄したと認定。高瀬さんの所持品をすべて捨てたことなどから、「何らかの自己保身の動機で、死亡した事実の発覚を防ぐために犯行に及んだと推認できる」と述べた。
高瀬さんは自殺で「『骨を大島の海に流してほしい』という書き置きに従った」とする柳瀬被告の供述については、証拠となる書き置きなどを遺体と一緒に燃やしており、極めて不自然と指摘。高瀬さんが書き置きを作成したとも考え難いとして、「到底信用できない」と退けた。
高瀬さんが死亡した経緯を巡っては、警視庁が捜査を続けている。
判決によると、柳瀬被告は2024年9〜10月、高瀬さんの遺体を大島町内で焼損するなどし、島南西部の海岸またはその周辺に遺棄した。