同じように見えるマンション、なぜ価格が違う?物件選びのポイントを専門家が解説

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2025年10月30日 21:20  All About

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同じような立地や間取りのマンションも、建物の性能によって価格差があります。耐震性や断熱性など、暮らしや資産価値を左右するポイントを専門家が解説します。※サムネイル画像:PIXTA
マンションを選ぶとき、まず注目するのは「立地」や「価格」ではないでしょうか。駅からの距離や周辺環境はもちろん大切ですが、同じような条件のマンションでも価格が大きく違うことがあります。「見た目は似ているのに、なぜこんなに差があるの?」と感じたことはありませんか?

この記事では、住宅診断のプロであるホームインスペクターの友田 雄俊氏(株式会社さくら事務所)に、マンションを選ぶ際に注目したいポイントを教えてもらいました。

・ホームインスペクターとは?
住宅の劣化や施工の状態などを、専門知識をもとに客観的にチェックする専門家です。新築・中古を問わず、購入前の「見えない不安」を減らすサポートをしてくれます。

マンションを選ぶとき、立地以外で注目すべきポイントとは

マンション選びは立地が最優先、という方はとても多いでしょう。もちろんそれも大切ですが、同じくらい重要なのが建物ごとの性能や仕様の違いです。特に、以下のポイントを重点的にチェックするとよいでしょう。

耐震性:基本の耐震に加え、制震・免震で付加価値を

現在の新築マンションは、震度6〜7程度の地震でも倒壊しないレベルの耐震性が確保されており、その点は安心です。

その上で、マンションごとの差がつくポイントが、制震や免震といった機能の有無です。これらは揺れを吸収・抑制して建物自体の損傷を抑えるため、地震等の損傷リスクを下げてくれる、より一歩進んだ安心機能と言えるでしょう。

断熱性:窓と換気が快適性の鍵に

一般的にマンションは、戸建てよりも断熱性が高く暖かいとされます。ただ、より快適性を追求する場合に差がつくのが、窓や換気設備の性能です。

例えば、特殊な金属膜で夏の日差しを和らげる「Low-Eガラス」や、室内の快適な温度を逃さずに換気できる「全熱交換型換気設備」などがあると、冷暖房の効率が上がり、暮らしの快適性を高めるとともに光熱費の節約にもつながります。

間取り・構造:将来の売りやすさやリフォーム性も考慮

間取りはご自身(ご家族)の好みが第一ですが、将来の売却まで考えるなら、あまりに個性的なプランは買い手を選ぶ可能性があることも意識しておくとよいでしょう。

また、建物の構造では「二重床・二重天井」になっているかにも注目。これは床や天井裏に空間を作る工法で、将来のリフォームの自由度が高まります。「ディスポーザー(生ごみ処理機)」のような人気設備の有無も、暮らしの満足度や将来の資産価値に関わってきます。

価格が高い=高性能とは限らない

マンションの価格は、建物の仕様以上に「立地」に大きく左右されます。高額な物件だからといって、必ずしも高性能な設備が使われているとは限りません。価格に惑わされず、仕様をきちんと確認することが大切です。

教えてくれたのは……友田 雄俊(ともだ かずとし)さん
株式会社さくら事務所 ホームインスペクター
大手リフォーム会社にて木造戸建て住宅リフォームの営業・設計・工事監理に従事。2019年にさくら事務所に参画し、建物の施工中や完成後の状況を検査・調査するホームインスペクターとして活躍。住宅トラブルに関する相談対応実績は1000件以上。2025年にさくら事務所・執行役員CCOに就任。自身が取材協力した「マンションバブル41の落とし穴」(小学館)が発売中。
(文:All About 編集部)

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