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人身傷害保険の死亡保険金の請求権が、相続財産に含まれるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は30日、「相続財産に含まれる」との初判断を示した。相続順位が第1位の人が相続を放棄したとしても、順位が2番目以降の人は保険会社から支払いを拒まれるケースがあったが、今後はこうした運用が見直される可能性がある。裁判官5人全員一致の意見。
判決によると、三井住友海上火災保険の人身傷害保険に加入していた男性(当時67歳)が2020年に車両を運転中に自損事故を起こして死亡した。法定相続の順位は男性の子ども3人が1位だったが、いずれも相続を放棄した。順位2位だった男性の母親が遺産を相続したが、三井住友海上は契約条項を理由に支払いを拒否。母親側が支払いを求めて提訴した。
三井住友海上側は上告審で「契約条項は順位1位が受け取る内容だ」と主張したが、小法廷は人身保険の保険金は事故で被った損害を補う目的で支払われるもので、被保険者が死亡した場合は相続財産に含まれると判断した。順位1位に相続放棄があった場合、2位以降でも実際に相続した人に受け取る資格があると結論付けた。
1、2審判決は保険金計約2200万円を母親側に支払うよう命じており、小法廷もこの結論を支持して、三井住友海上側の上告を棄却した。【三上健太郎】
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