「とにかく自分がダサかった」7番手100号車STANLEY牧野任祐、予選の明暗を分けたセクター1

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2025年11月01日 19:11  AUTOSPORT web

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ランキング3位の100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT、牧野任祐がQ2を担当したが、ミスがあり7番手
 スーパーGT第8戦、最終戦モテビリティリゾートもてぎ、GT500の予選は38号車KeePer CERUMO GR Supraの大湯都史樹がポールポジションを獲得し、逆転チャンピオンに向けて貴重な1ポイントを獲得した。タイトル本命の1号車au TOM'S GR Supraは2番手、ホンダ陣営唯一チャンピオン候補となっていた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTは7番手と厳しい状況となった。100号車STANLEYでQ2を担当した牧野任祐に聞いた。今回の予選のポイントはセクター1の攻略だった。

「自分のアタックとしては正直、失敗しちゃいました。現実的にはたぶん3番手には行けたと思うので、自分がまとめきれなかった予選でした。(山本)尚貴さんにQ1からつないでもらったのに、尚貴さんにもチームにも申し訳ない予選だったなと思います」

 予選後に聞いた牧野は一見、 話す言葉だけを聞くといつもの落ち着いた言葉に読めるが、その雰囲気は明らかに怒気を含んでいた。その怒りの感情はもちろん、自分自身に対してだった。

「1コーナーと3コーナー、両方でミスりました。もう1コーナーでは(タイヤ)ロックして、3コーナーは普通にめちゃめちゃオーバー(ステア)が出ちゃって、全然(アクセル)踏めなかった。正直、そこでコンマ3秒はロスしている。今日は間違いなく、僕の予選がダサかったですね」と牧野。

 今回の予選はポールポジションの38号車大湯、2番手の1号車坪井、そして100号車牧野の3つのセクタータイムを比べると、ポイントがわかりやすい。

大湯都史樹/1分35秒76824.053/25.373/25.313

坪井翔/1分35秒94324.232/25.343/25.338

牧野任祐/1分36秒37724.566/25.331/25.422

 以上のように、3人の差は、ほとんどがセクター1の差とも言えるのだ。

 今回の予選は路面温度が22℃と低く、坪井と牧野はインラップ〜ウォームアップで4周を費やしてからアタックに入り、大湯はウォームアップ3周ののち2周連続でアタックし、2回目のアタックがベストタイムとなった。結果的に2周連続でアタックした大湯がポールということからも、坪井、牧野はタイヤのウォームアップがもしかしたら足りなかったのかもしれない。

 いずれにしても、温まりが難しい状況の中で、ストレートから1コーナーに向けてのフルブレーキング、そしてまた立ち上がってから3コーナーでのブレーキングは、ドライバーにとってかなり難易度の高さが求められたに違いない。

「(フリー走行から)クルマのフィーリングとしては別にそんなに悪くはないんですけど、タイヤの選択が結構、難しくて。基本的にはたぶんトヨタと同じコンパウンドのタイヤで行ったのですけど結構、タイヤのキャラクターも違ったりとかいろいろあるのですけど、いずれにしても今日のQ2は僕がまとめきれなかっただけなので。ちょっとダサい予選でした」と牧野。

 オーバーテイクが難しいもてぎでの予選Q2は、ただでさえ緊張感が高まる上に、今回はチャンピオン争いというプレッシャーも重なる。

「まあそうですね。でも正直、そのチャンピン争いどうこうというよりも、自分のアタックがちゃんとまとめられなかったという方が、自分の中ではでかいので。とにかくダサかったっすね」

 明日の決勝は7番手からスタートする。前回のオートポリスで予選12番手から大逆転優勝を果たした展開と同じようなかたちになる。

「まあ、もう別にやることはひとつなので、頑張って追い上げたいと思います」

 予選ではなかなか見ることがない雰囲気の、今回の牧野。自分自身への怒りは、決勝でどのように昇華されるのだろう。


⚫︎まさかの予選Q1敗退となってしまったチャンピオン候補たちの状況

・39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra

 他のトヨタGRスープラのブリヂストン陣営と持ち込みタイヤが異なり、ややソフト方向のコンパウンドをセレクトしていた模様。土曜の予選日が雨、または雨上がりと予想していたところ、普通のドライコンディションとなり、想定より高くなったことでレンジを外してしまった。それでもQ1突破はできそうな雰囲気だったが、予選Q1を担当したサッシャ・フェネストラズもアタックでミスがあり、12番手となってしまった。

・14号車ENEOS X PRIME GR Supra

 ランキング2位で迎えた最終戦だったが、予選Q1のウォームアップで大嶋和也がまさかのスピンを喫してしまい、13番手となってしまった。

「(スピンは)前を走っていたクルマがどのタイミングでアタックに入るのかわからなくて、こちらは3周目にアタックに行きたかったので、抜けるなら抜きたいなと思ってちょっと早めにアクセル踏んだのですけど、予想以上にタイヤが温まっていなくて、止まらなかったという感じですね。そのスピン自体はアタックには影響なかったです」と大嶋。

「クルマは悪くなかったのですけど、みんなとアタックのタイミングが崩れて、アタック1周目、タイヤのグリップが来ていなかったので早めに判断して翌周に備えれば良かったのですけど、そのまま行ってしまって、まともにアタックできませんでした。かなりストレスの溜まる予選になってしまいました」

[オートスポーツweb 2025年11月01日]

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