2025-2026年のAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズでLMP2デビューを果たすエンツォ・トゥルーリ。父は元F1ドライバーのヤルノ・トゥルーリだ“世界三大レース”のひとつであるル・マン24時間レース。その2026年大会への出場権を懸けて競われる2025-2026年AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズの開幕に向け、主要チームからLMP2およびGTクラスのドライバーラインアップが次々に発表されている。
強豪のユナイテッド・オートスポーツは、LMP2クラスに参戦する6号車オレカ07・ギブソンの体制を確定させた。ポール・ディ・レスタとフィル・フェイヤーが、すでに指名されていたベン・ハンリーに合流する。
カナダ出身のブロンズドライバーであるフェイヤーは、AsLMSへの参戦が北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権プログラムを補完し、濃密なスケジュールの中で貴重な走行時間を提供すると述べた。
元F1ドライバーでプジョーのファクトリードライバーであるディ・レスタは、2018-19年シーズンに同チームでフィル・ハンソンとLMP2タイトルを獲得した後、シリーズに復帰する予定だ。
なお、ユナイテッド・オートスポーツにとっては2022-23年シーズン以来のALMS復帰となり、今季はLMP2カー2台とマクラーレン720S GT3エボの計3台でエントリーしている。
イタリアのチェティラー・レーシングは、WEC世界耐久選手権のスターを起用する。ユナイテッド・オートスポーツと同様にLMP2クラスに参戦する同チームは、ロベルト・ラコルテに加え、WECハイパーカードライバーのアントニオ・フォコとシャルル・ミレッシをラインアップに迎えるとアナウンスした。
47号車オレカ07・ギブソンでプロトタイプレースに復帰する同チームの最大の目標はもちろん、タイトルを獲得し2026年ル・マン24時間レースへの自動招待枠を確保することだ。
AsLMS初参戦となるミレッシは、「チェティラー・レーシングとAFコルセと一緒にレースに参加できることをとてもうれしく思っている。セパン、ドバイ、アブダビといったこれまで訪れたことのないサーキットを体験できるのも楽しみだ」と語った。
ハイクラス・レーシングは、2023年以来のプロトタイプ復帰となるグスタボ・メネゼスを起用した。
元WEC・LMP2チャンピオンで、レベリオン・レーシングやスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスでWECのトップカテゴリーにも参戦していた31歳のアメリカ人は、イェンス・リノ・ムラと、前ALMS LMP3チャンピオンであるセオドール・イェンセンとともに49号車オレカ07・ギブソンをドライブする。
また、アルガルベ・プロ・レーシング(APR)では元F1ドライバー、ヤルノ・トゥルーリの息子であるエンツォ・トゥルーリがLMP2デビューを果たす。
APRから先月行われたELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのルーキーテストに参加していたエンツォは、「セパンはよく知っているサーキットだし、チームの雰囲気も分かっている」とコメント。来るLMP2デビューレースに向けては、「トラフィック・マネジメントを学ぶことが重要」であると認めた。
GTカテゴリーのディフェンディング・チャンピオンであるマンタイ・レーシングは、92号車ポルシェ911 GT3 Rをドライブするリヒャルト・リエツのチームメイトとして、新たにフランソワ・エリオを迎えた。42歳のブロンズドライバーはAFコルセとともに2年間、フェラーリのGTマシンで複数のシリーズを戦ったあと、マンタイ・ポルシェに加入する。92号車のシルバーランク・ドライバーは後日発表される予定だ。
姉妹車である10号車ポルシェには、タイトル獲得メンバーのアンタレス・アウとクラウス・バッハラーが復帰し、新たにルーク・ハルトグがふたりのパートナーとなる。
アジアン・ル・マン・シリーズの2025-26年シーズンは、12月13日にセパン・インターナショナル・サーキットで開幕する予定だ。
[オートスポーツweb 2025年11月02日]