写真はIKEA公式HPよりカジキです!! インテリアのブログとYouTubeを運営しています。暮らし、住まいの世界を長年見てきた経験を元に、インテリアの法則と、インテリア好きが頭のなかで考えていることをご紹介していきたいと思います。
今回は注意喚起です。人気のインテリアショップといえばIKEAが有名ですが、そこには大きな罠が潜んでいます。
IKEAの商品は安くておしゃれ。知名度が高いからアクセスも期待できるし、新製品もどんどん出るからネタ切れの心配もない。あまりにもネットの発信者に都合がいいため、今ではみんなIKEAの商品を紹介します。「シンプルでおすすめです!」なんて情報量ゼロのネット情報を見たことがある方も多いでしょう。
いろんな意味で大人気のIKEAですが、人気商品にはハイエナが群がってしまうのが世の常です。悪質YouTuberや悪質インスタグラマーにうっかり騙されると、「高額な転売品」を買うはめになるので注意しましょう。みんな気をつけて。
◆YouTuberがイケアの高額品を売る理由
ブログやYouTubeで商品を紹介して、誰かが購入してくれるとお金がもらえる仕組みをアフィリエイトと言います。Xやインスタ、ThreadsなどなどSNSでも多く採用されています。
アフィリエイト自体を悪く言いたいわけではありません。良い情報を紹介してくれたのなら、聞き手だけでなく発信者にもメリットがあってしかるべきでしょう。それ自体は悪くないけれど、それは正しく利用されていればこそ。
実はIKEAはアフィリエイトのサービスをやっていません。せっかく人気ブランドなのに、発信者はいくらIKEAの商品を紹介してもお小遣いになりません。
じゃあどうするか? 実は裏技があって、楽天市場やAmazonには「IKEAの高額転売品」がたくさん売られているのです。楽天やAmazonであればアフィリエイトサービスを実施しているので、こいつを販売すれば発信者はお小遣いが手に入るというわけです。
イケア公式通販で買われてしまったらお小遣いが手に入らないので、YouTuberやインスタグラマーは、わかっていながら高額な商品にリンクを貼っているのです。
きちんと差額を提示して、買う側も納得して高額転売品を選ぶのならまだわかります。しかし肝心の定価をボカして、こっそり高額転売品を売るのはいくらなんでもやめていただきたい。うっかり買ってしまう人が不憫すぎます。
極端な例だと、定価5万円そこそこのソファを黙って12万円くらいで転売している人もいました。いくらなんでもアコギな商売じゃありませんか、そんなことをされたら泣いてしまいます。
◆IKEAのポリシーを踏みにじる行為です
そもそもIKEAは、お安い家具を作ることで「インテリアの民主化」を目指したブランドです。
創業者自身が貧しかったこともあり、裕福じゃない人もインテリアを楽しめるようにという理念で成長してきた歴史があるのです。IKEAは企業アピールとして石垣の写真をよく採用するのですが、これは創業者が生まれた貧しい土地の石垣を写したものです。
お金がない人でも楽しめるような、低価格でちゃんと品質の良い商品。これをIKEA社内では「デモクラティックデザイン」と呼んでいます。
民主化を英語にすればデモクラティックです。民主化のためのデザインだからデモクラティックデザインなのです。IKEAが安いのはビジネスのためだけでなく、企業ポリシーにもとづいた信念があるのです。
客の立場として考えても、定価より高い商品であれば事前に周知してもらわないと困るし、IKEAの成り立ちから考えても、高額転売はその理念に反している行為です。どこからどう考えても誠実ではないでしょう。発信者にも事情があるのかもしれませんが、お互い気持ちよく買い物ができる環境にしていきたいところです。
◆ぜったい高額品に騙されないで!!
ということでIKEAアイテム。モノ自体はとても素敵なのですが、ネットの紹介品を購入するときは十分に注意が必要です。
有名な発信者なら大丈夫? 残念ながらそれも通用しません。チャンネル登録10万人だろうがやる人はやります。ネットでIKEAの商品を見かけたらまず高額品ではないか確認する、これを癖にしておきましょう。楽天ROOMは特に怪しいので念入りにチェックです。
家具はずっと一緒に暮らすもの。気持ちよく置いておけるかどうか、というのも大切な要素です。うっかり騙されて高額品を買ってしまうと、その家具を見るたびに嫌な思い出が蘇ってしまいます。
お金の損もしたくありませんが、気持ちの損もしたくないものです。IKEAのアイテムは、正しく買って気持ちよく使いましょう。
【カジキ】
暮らし、住まいの世界を長年見てきた経験を元に、インテリアの法則を各コンテンツで言語化して発信中。YouTube「ゆっくりインテリア」、ブログ「様子のおかしいインテリア店」、Xアカウント@kajikissa